観光庁は10月31日、新たに発足した行政機関として、職員の仕事への取り組み姿勢を示す行動憲章などを定めた「観光庁ビジョン〜開かれた観光庁」を発表した。新たな組織文化と職員意識の創造を目指す。行動憲章には「5か条」を定め、“タテ割り行政”の打破などをうたう。5か条は名刺サイズのカードにして職員全員が常時携帯することにした。
行動憲章の五か条は、「開かれた観光庁」を合言葉に、職員1人ひとりに対し、仕事の進め方や外部との連携、情報公開の姿勢などを定めた。「タテ割りに陥ることなく、迅速に成果を出す」としたほか、民間や地方、他省庁との交流を通じて「新しい力を発揮する」。「仕事のプロセスや結果を公開する」「観光に関する相談には幅広く応じる」などを盛り込んだ。
観光庁の本保芳明長官は「単なる内部の規定ではなく、外部から見て実行できているか、具体的にチェックできる仕組みもつくる」と説明した。具体策の1つには、観光庁の行政運営について定期的に意見を聞くために、外部の有識者で構成する懇談会の設置準備を進めている。
観光庁ビジョンは、行動憲章と理念の2部で構成されている。理念では、観光立国の実現に向けた取り組みの方向性を示している。
観光庁ビジョン「開かれた観光庁」
【観光庁の理念】
私たちは、「観光立国の実現」を通じて、我が国経済社会の活性化、活力に満ちた地域社会の実現の促進、国際相互理解の増進や国際平和の実現、健康で文化的な生活の実現などに貢献します。
このため、具体的な目標を定めて、以下のとおり「住んでよし、訪れてよしの国づくり」に取り組みます。
○我が国の魅力を内外に発信します。
○国内外の交流人口を拡大し、我が国や地域を元気にします。
○地域の自律的な観光地づくりを応援します。
○観光関連産業を活性化します。
○すべての人が旅行しやすい環境を整備します。
【観光庁の行動憲章】
私たちは、国の行政の新しい姿を目指し、「開かれた観光庁」として新しい意識と組織文化の創造に職員一人一人が取り組みます。
〈観光庁5か条〉
○民間、地方自治体、他省庁などと交流し、新しい力を発揮します。
○タテ割りに陥ることなく、無駄を省いてスピード感を持ち、迅速に成果を出します。
○積極的に情報を発信し、仕事のプロセスや結果を公開します。
○専門性の向上に努め、観光に関する相談には幅広く応じます。
○壁のない自由なコミュニケーションを徹底し、働きやすい職場環境を作ります。