観光庁、45地域のビジネス創出を支援


 観光庁はこのほど、地域による旅行商品の造成、観光ビジネスモデルの構築などを後押しする「観光地ビジネス創出の総合支援」事業の対象として45地域を選んだ。選定地域を“旅の生産者”と見立てた「タビの産直イチ」プロジェクトとして、ウェブサイトを開設するなど旅行情報の発信も併せて実施していく。

 観光庁が昨年度実施した「官民協働した魅力ある観光地の再建・強化事業」を発展させた事業として、観光資源の磨き上げや旅行商品の造成、自立的、継続的な観光地域づくりのビジネスモデルの構築を促進する。

 国費による支援の対象となるのは、専門家の招請、研修会の開催、現状分析に必要な調査などにかかる費用。選定地域は、観光地域づくりを担う団体の自主財源確保のための事業計画などを策定している。

 事業の一環としてウェブサイト「タビの産直イチ」(http://tabicollege.jp/)を2日に開設。消費者、旅行会社などに地域の旬の情報を発信している。

 採択された地域の取り組みには、自然、歴史、文化など地域特性を生かす試みがそろった。主な取り組みは次の通り。

 「七時雨・アウトドアと短角牛の美味しい関係体験プロジェクト」(岩手県)=八幡平市に位置する七時雨山のカルデラ地形と、短角牛の放牧が作り出す景観を生かし、アウトドアキャンプの楽しみを紹介する。

 「八ツ場ふるさとエコツアーを軸にした草津温泉との観光連携ビジネス」(群馬県)=数年後に姿を現す八ツ場ダム湖や新たな川原湯温泉をテーマにした観光ビジネスの展開を想定しながら、当面は建設途中のダムとその周辺の風景をPR。長野原町では、草津温泉(草津町)と連携した誘客も進める。

 「幸せますのまち防府“大河ドラマの世界観”発見ツアー」(山口県)=来年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の主人公、吉田松陰の妹、文(揖取美和子)ゆかりの地である防府市が舞台。幕末、明治の歴史や文化を生かした観光まちづくりに取り組む。

 「世界自然遺産登録の風を掴め 観光地域づくりでシマ(集落)をおこす」(鹿児島県)=「奄美・琉球」の世界自然遺産登録を見据えて、奄美市の地域住民が主体となり、自然、文化を生かした滞在型観光メニューづくりに取り組む。

 
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