観光庁は、通訳案内士の制度、運用に関する問題点を整理し、改善に乗り出す。通訳案内士を巡っては、地方での人材不足、英語以外の言語の有資格者の不足などが指摘されるほか、就業者についても稼働日数の少なさ、質の向上といった課題を抱える。12月24日に有識者を集めた検討会を立ち上げ、議論を開始した。
検討会では、通訳案内士団体、旅行業、地方自治体などの代表者から意見を聴取し、改善の具体策を議論。6月ごろに交通政策審議会観光分科会に検討結果を報告し、観光立国推進閣僚会議が策定する行動計画「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2015」に改善策を盛り込む。
初会合で観光庁の吉田雅彦・観光地域振興部長は「通訳案内士制度に関しては、創設から60年以上が経過し、いろいろな意見、要望がある。訪日外国人旅行者の増加を踏まえ、中長期的な視野で新たな制度を構築したい」と述べ、有識者に議論を呼びかけた。
検討会の委員は次の通り(敬称略)。
佐藤博康(松本大学総合経営学部観光ホスピタリティ学科教授)=座長▽石関文昭(東京SGG会長)▽興津泰則(日本旅行業協会国内・訪日旅行推進部長)▽小堀守(日本政府観光局統括役)▽斎川昭雄(日本観光振興協会事業推進本部観光地域づくり・人材担当部長)▽櫻井紀彦(和歌山県商工観光労働部観光局観光交流課長)▽鈴木のり子(東京都産業労働局観光部振興課長)▽高畑重勝(京都市産業観光局観光MICE推進室長)▽谷脇茂樹(日本商工会議所流通・地域振興部課長)▽萩村昌代(日本観光通訳協会会長)▽橋本直明(トラベリエンス代表取締役)▽松本美江(全日本通訳案内士連盟理事長)▽三好一弘(日本旅行国際旅行事業本部海外営業部長)▽森嶋敏夫(はとバス国際事業部開発課次長)▽矢ケ崎紀子(東洋大学国際地域学部国際観光学科准教授)▽吉村久夫(JTBグローバルマーケティング&トラベルグローバルマーケティング部長)▽ランデル洋子(通訳ガイド&コミュニケーション・スキル研究会理事長)▽李光守(ハナツアージャパン国際事業部次長)