観光庁、特定技能外国人でセミナー


特定技能外国人材受け入れセミナー(10月31日、東京で)

留学生、旅ホなど150人参加

 4月に創設された外国人就労の在留資格「特定技能」の活用に向け、観光庁の「宿泊事業における特定技能外国人材受入れセミナー」が10月31日に東京都内で開かれ、留学生約50人をはじめ旅館・ホテル、登録支援機関の担当者など約150人が参加した。制度の概要や旅館・ホテルの外国人材受け入れ事例が紹介された。セミナー後には、宿泊業団体の主催で宿泊事業者と留学生の交流会も行われた。セミナーは今回を皮切りに来年2月まで10都市で計12回開催される。

 特定技能制度を説明した観光庁の小熊弘明参事官は「制度の施行からまだ半年で活用は道半ば。宿泊事業者の方には、旅館・ホテルで働く魅力を外国人に発信し、積極的な受け入れにつなげてほしい。外国人の方々には宿泊業に関心を持っていただき、即戦力として活躍してもらえるよう期待している」と述べた。

 旅館・ホテルは「特定技能1号」での就労、雇用が可能。「日本語能力試験」N4レベル以上などの日本語能力と、宿泊業技能測定試験への合格が必要。宿泊業技能測定試験の合格者数は、4月の第1回国内試験で280人、10月の第2回国内試験で363人。初の海外試験として10月27日にミャンマーで実施した試験には238人が受験し、11月15日に合格発表が行われる予定。

 宿泊業の特定技能1号では、出入国在留管理庁から在留資格の許可を受けた外国人はまだ10人強程度。観光庁では、試験の運営を担う一般社団法人の宿泊業技能試験センターと連携し、国内試験の実施頻度を増やすとともに、ベトナムでの試験の実施も検討しており、合格者数を増加させる考えだ。

 セミナーでは、特定技能の事例ではないが、通訳などの「技術・人文知識・国際業務」、インターンシップやワーキングホリデーの「特定活動」などの在留資格での外国人の受け入れ事例として、京王プラザホテル(東京都新宿区)、グリーンズ(三重県四日市市)、ホテルニューショーヘイ(東京都新宿区)、池の平ホテル&リゾーツ(長野県茅野市)が取り組みを紹介した。

 池の平ホテル&リゾーツでは、現在15人ほどの外国人が企画広報や免税販売などで活躍。日本語の習熟では週1、2回教室も開いている。同社管理部人事チーフ海外採用・教育担当の石川泰治氏は「外国人スタッフのアイデアも企画や業務に取り入れている。政府が訪日4千万人、6千万人を目指す中、海外メディアへの広報やSNSでの発信も強化する必要があり、国籍を問わず外国人の皆さんに活躍してもらいたい」と話した。

 セミナー後の交流会は、日本旅館協会、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、全日本シティホテル連盟、日本ホテル協会の主催。旅館・ホテルの担当者が、留学生らに働く魅力や受け入れ態勢をPRした。旅館・ホテルの外国人求人情報は4団体のホームページにも掲載されている。
今後のセミナーは満席の会場もあるが、参加可能な会場もある。運営を受託している三菱UFJリサーチ&コンサルティングの専用URL(https://www.murc.jp/seminar/sonota_191031/)から申し込む。

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