国土交通省は、住宅を活用した宿泊サービスを条件付きで解禁する民泊法案を3月上旬に国会に提出する予定だ。観光庁の田村明比古長官は15日の専門紙向け会見で、民泊法案が閣議決定に向けた調整の最終段階にあるとして、「基本的な方向性は案としてはできている。後は合意形成をどうつくるか」と述べた。民泊法案をめぐっては、年間提供日数の制限、自治体の規制のあり方などに産業界、地域の注目が集まっている。
民泊法案の仮称は「住宅宿泊事業法案」。国交省は、民泊営業者の届け出制、管理業者や仲介業者の登録制などを創設する方針だ。
年間提供日数の上限は、政府の規制改革実施計画では「180日以下の範囲内で適切な日数を設定する」とされた。日数に関して旅館・ホテル業界は、実際に宿泊した日数ではなく、連続する期間の予約可能な日数を基準として営業を制限すること、自治体による日数制限を可能にすることを要望している。
日本旅館協会や全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会は、提供日数の問題をはじめ、規制の違いによって旅館・ホテル業と民泊営業のビジネス環境が不公平にならないような制度設計を要望しており、国会議員や関係省庁などへの陳情活動を継続的に展開している。
法案提出に向けた合意形成について観光庁の田村長官は「いろいろな方面から、いろいろなご意見が最後まであると思うが、適切なバランスで着地点を見いだすのが行政の仕事だ」「コンセンサスを得て、前に進めていく作業をしている」と説明した。