観光庁、入込客統計で試験調査


 観光庁は、都道府県が実施する観光入込客数(実人数)や観光消費額の統計に全国共通の調査手法を導入しようと、試験調査をスタートさせた。有識者らで検討を重ねた基準案を基に、11月下旬に新潟、岡山の両県で1回目の調査を実施した。現状では都道府県ごとに調査手法が異なり、地域間での比較ができないため、共通基準を示し、観光振興に役立つデータにする。試験調査を重ね、2010年度から本格実施できる態勢を整えたい考えだ。

 都道府県ごとの観光入込客数などの統計には、日本観光協会が03年11月に作成した「全国観光統計基準」があり、国土交通省でも推奨してきたが、07年度までに導入したのは17都道府県にとどまっている。

 全国観光統計基準の普及の問題点には、従来調査との連続性、調査予算の負担などのほか、調査地点の定義と地域の現状の不一致、実人数を把握するための調査手法の不明確さなどが挙げられていることから、「統計の信頼性と同時に、都道府県が実際に導入しやすい共通基準づくりを重視している」(観光庁・観光経済担当参事官室)。

 試験調査で使う基準案は、観光統計の整備に関する懇談会(座長=山内弘隆・一橋大学大学院商学研究科長・商学部長)の示した方針に基づき策定した。全国観光統計基準をベースに改善を加えたほか、昨年からスタートした国の承認統計「宿泊旅行統計調査」のデータなども活用していく。

 試験調査の手法は、都道府県内から調査地点として観光地など10カ所以上を抽出し、四半期ごとに年4回、1地点当たり100人から、年齢や居住地、日帰り・宿泊の別、同行者数、訪問地数、消費額などを聴き取る。これらのデータを基に、訪日外国人を含めた観光入込客の実人数や観光消費額を推計していく。

 新潟、岡山での試験調査では、各県20カ所の観光地を調査地点とする。1回目の調査は11月27、30日に実施。2回目は2月に行う。この試験結果を踏まえて基準案の運用上の問題点などを検証。09年度中には、対象を10地域程度に拡大して第2次試験調査を実施し、共通基準を策定する。

 
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