観光リカレント推進へ意見交わす 大阪観光大など産学が特別セミナー 


東京でのセミナー

 大阪観光大学は1月24日、アルカディア市ヶ谷 私学会館(東京・千代田区)で、TokyoCreative(同・墨田区、中川智博、小野沢隆代表)、観光産業を構成する中小および個人事業主連合会(TIFS、岡田直樹会長)と共催の観光リカレント特別セミナー「産学官で観光リカレントを考える」を開いた。


東京でのセミナー

 大阪観光大学が文部科学省から受託中のリカレント教育推進事業の一環。同事業の「観光DX人材育成講座応用編」の受講生や旅行会社関係者、観光系大学の関係者らが参加し、産学官の視点からDX人材育成の重要性や観光分野でのDX活用の必要性などについて考えを深めた。

 基調講演では伊藤健二・学校法人三幸学園理事長特別補佐(戦略担当)、井口智裕・雪国観光圏代表理事、加藤史子・WAmazing代表が登壇。「新たな旅を提案するryugonの取り組み事例」をテーマに講演した井口代表理事は「カギは地域ストーリーと観光UX(ユーザー体験)だ」として、地域全体を「雪国文化」の統一ストーリーで再構築、連携させた雪国観光圏の取り組み内容などを紹介。滞在中に手軽に文化を体験できるアクティビティのラインアップの充実や、文化理解やアクティビティの利用促進につながるデジタルコンテンツの整備の重要性を指摘した。

 続いて行ったパネルディスカッションには、第1部「観光DX人材育成と人材確保の課題解決」に、パネラーとして井口代表理事のほか、高井典子・神 奈川大学国際観光学部教授、小槻文洋・大阪観光大学観光学部教授、第2部「観光ビジネスにおけるDX活用」に、加藤史子代表のほか、加藤遼・パソナJOB HUB ソーシャルイノベーション部長、中川智博・TokyoCreative代表が登壇。小野田金司・大阪観光大学観光学部教授をコーディネーターに活発な意見交換を行った。

 このうち第1部では、「観光業界を志望していても最終的に業界に進むのは3割」という高井教授からの指摘を皮切りに、インターンシップでの学生と企業の「ベクトル合わせ」の重要性や、マッチング「おてつたび」に見られる「ゲストとホストの流動化」といった、働き方や観光のあり方の変化について意見が交わされた。

 その中で井口代表理事は「労働集約型の観光産業のままでは必ず早晩パンクする。日本人の考える観光自体をマーケットから抜本的に変えていく必要がある」と指摘。デジタルスキルや新しい感性を持った若い世代らの活用の重要性を訴えた。

 続く交流会には鶴保庸介参院議員も出席。「観光産業をともに盛り上げていこう」と参加者を激励した。

 

DMOテーマに仙台でセミナー

仙台でのセミナー

 大阪観光大学は1月19日、TKPガーデンシティ仙台(宮城県仙台市)で、宮城創生DMO(宮城県丸森町、齊藤良太会長)、Tokyo Creative、TIFSと共催の観光リカレント特別セミナー「東北のDMO大集合 観光DXを考える」を開いた。大阪観光大学のリカレント教育推進事業の一環。

 セミナーには、田中由紀・東北運輸局長のほか、庄子賢一衆院議員らも出席。紺野純一・東北観光推進機構理事長が同機構の事業紹介を行ったほか、やまとごころの村山慶輔代表による基調講演「観光再生待ったなし~DXによる観光戦略~」を行った。

 パネルディスカッションでは、第1部「持続可能なDMO経営」に宮嶌浩聡・プラットヨネザワ代表、山口敦史・DMC天童温泉社長、松本数馬・世界遺産平泉・一関DMO代表、畑めい子・八幡平DMO代表が、第2部「DMO再始動」に齊藤会長、西谷雷佐・インアウトバウンド仙台・松島代表、上山康博・百戦錬磨社長、相澤国弘・みやぎ蔵王別荘協議会会長がパネラーとして登壇。小野田教授、櫻井亮太郎・宮城創生DMO副会長のコーディーネートの下、白熱したディスカッションを行った。

 このうち第1部のパネルディスカッションでは持続可能な組織としてのDMOの資金調達方法や事業運営、地域との合意形成や連携が話題に上った。山口社長は「旅館だけでなく地域が一体となって付加価値を高めれば地域全体の稼ぐ力をつけられる。目標である連泊推進のためにも、泊食分離を進め、地域にお客さまを出していけるよう取り組んでいる」と話し、ユニバーサルデザインを統一テーマにしての地域一体となった施設改修やにぎわいづくりについて説明。畑代表からは、外資系ホテルの開業を起因に、高単価なワンデーツアーや地元レストランでの飲食といった需要の顕在化が進み、地域の事業者の質の向上や単価アップにつながった事例などが紹介された。

 
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