
西武ホールディングスは3日、2025年3月中に自社株133万7700株を買い付けたと発表した。総額46億4653万2900円。株主還元策の一環。
1年間で最大700億円の自社株取得へ
西武ホールディングスは2025年3月、自己株式の取得を積極的に進めた。1か月間で133万7700株を市場から買い付け、総額は46億4653万2900円に上る。これは、2024年12月に公表した自社株買いプログラムの一環だ。
同社は2024年12月12日の取締役会で、最大2800万株、金額にして700億円を上限とする自己株式の取得を決議した。取得期間は2024年12月13日から2025年12月12日までの1年間。これは、発行済株式総数(自己株式を除く)の8.66%に相当する規模だ。
今回の3月の買い付けにより、プログラム開始以来の累計取得株数は648万8600株、取得価額の総額は212億8182万9400円となった。これは、当初の目標の約30%に達する進捗率だ。
自己株式の取得方法は、取引一任勘定取引契約に基づく市場買付けを採用している。この方式により、市場への影響を最小限に抑えつつ、効率的な買い付けを行っているとみられる。
注目すべきは、取得した自己株式の扱いだ。西武ホールディングスは、会社法第178条の規定に基づく取締役会決議により、取得したすべての自己株式を消却する予定としている。これにより、発行済株式総数が減少し、1株当たりの価値向上が期待される。
この大規模な自己株式取得は、株主還元策の強化を示すものだ。同時に、現在の株価が会社の実態価値を十分に反映していないとの経営陣の判断を示唆している可能性もある。
西武ホールディングスの株価動向や、今後の経営戦略にも注目が集まる。自己株式取得の進捗状況は、今後も定期的に開示される見通しだ。株主や投資家にとっては、同社の資本政策や成長戦略と併せて、これらの情報を注視する必要がありそうだ。