西伊豆町、営業自粛要請で損失を補填 観光・宿泊施設など対象


町長「来町を遠慮して」

 静岡県西伊豆町は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、観光・宿泊施設や飲食店などに営業自粛を要請、代わりに町が損失を補填(ほてん)する「給付金」の支給を始めた。町外からの感染者の流入を抑えるのが狙いで、町観光協会では「多くの事業者が要請に応じる意向のようだ」と話している。

 星野浄晋町長は8日、町のホームページで「観光産業が町の基幹を支えており、本来であれば1人でも多くの方にお越しいただきたいが、今は町民の生命を最優先に守らなければならない。効果的な方法はウイルスを受け入れないこと。断腸の思いではあるが、国の緊急事態宣言に合わせ、1カ月間は来町をご遠慮いただきたい」と発信した。

 町内の観光・宿泊施設、飲食店などが営業していなければ観光客も来ないと判断した。営業自粛を要請する一方、給付金の支給で損失を補填、休業しやすくした。

 給付対象期間は11日から5月6日まで。(1)前年の4~5月に営業実績がある(2)町税などの滞納未納がない(3)11日から5月6日まで休業する―ことが要件となる。100事業者ほどが対象になるとみられる。13日から申請の受け付けを始めた。

 宿泊業については、1次給付金(均等割り)として、大手旅館(収容人員100人以上)に50万円、その他宿泊施設に20万円を払う。さらに、前年4~5月の1カ月の平均宿泊人数の4割を対象に、2次給付金として1人5千円を支給する。

 商店などは業種によって1次給付金として10万~20万円を支給し、2次給付金では前年4~5月の1カ月の平均売り上げの7割から1次給付金を除いた額を支払う。

 観光関係者は「新型コロナウイルスの影響でキャンセルが出て、新規予約も入ってこない中、1人でもお客さまが来ればスタッフを配置し、料理も提供しなければならず、当然コストもかかる。町の要請で営業を自粛、やむなく休業しているといった方が(対外的に)傷つかなくてすむ」と胸の内を語る。

 「営業して感染者が出た場合、感染者を出した旅館として、大きなダメージを受けかねない。終息してもお客さまが敬遠するのではないか」と指摘する声もある。

 観光協会は「近くに大型旅館が6軒ほどあるが、いずれも営業をしていない」という。

 
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