群馬県草津町はバス事業者と連携し、1日から草津温泉をPRするラッピングバスの運行を開始した。新型コロナウイルスの影響で減少したバス利用者の向上や、温泉が元気で活気にあふれていることをアピール、客足回復を目指す。
ラッピングバスは側面に湯畑や湯もみ、背面は新名所「地蔵乃湯階段」の写真をあしらった。ジェイアールバス関東がバスタ新宿―草津間、上田バスが渋谷―軽井沢―草津間、草軽交通が軽井沢―草津間を来年4月末まで運行する。
新型コロナウイルス感染症対策地方創生臨時交付金事業で、総事業費は2322万円。1台当たりのラッピング施工費は61万円という。
11月28日には一足早くJR東京駅で出発式を実施。草津温泉のキャラクター「ゆもみちゃん」が乗客に入浴券などが入った記念品を配布し、見送った。
冒頭あいさつした町観光課の富沢勝一課長は、「コロナ禍は(町の観光業に)大打撃だが、草津温泉は相変わらず元気なことを、ラッピングバスを通じて発信していく。明るい話題として提供できれば成功だと思う」と述べた。
また、ジェイアールバス関東長野原支店の三輪政史支店長は「ラッピングバスは派手なカラーが多いが、このバスはシックなデザインで洗練されている。消毒を徹底し、オゾン発生装置で車内の殺菌にも努めている」と安全安心を強調した。
千葉から来た、という20代の3人の女性グループは「ラッピングバスに乗車できるとは思っていなかったのでうれしい。草津を選んだのは有名だから。コロナは心配だが、対策をしっかりしていれば大丈夫」と笑顔で話していた。
この日は若者を中心に19人が利用。草津温泉まで約4時間10分のバス旅を楽しんだ。
出発式にはゆもみちゃんも参加、乗客と記念写真におさまった=11月28日、JR東京駅