経営不振が続いていた愛知県蒲郡市のリゾート施設「ラグーナ蒲郡」について、エイチ・アイ・エス(HIS)は1日、子会社を通じて運営に乗り出した。同日の事業計画発表会でプロジェクションマッピング実施や新アトラクションの設置、名古屋駅と蒲郡駅への直行バスによる交通アクセス改善などの事業再生計画が発表された。
HISが設立した新会社「ラグーナテンボス」は、県と市、トヨタ自動車などが出資する第三セクター「蒲郡海洋開発」から、テーマパークなど主要3事業を5億円で取得した。
HISは、経営不振にあえいでいたハウステンボス(長崎県佐世保市)を立て直した実績がある。78億円の債務超過を抱えるラグーナの再生実現に向け、地元行政や経済界がHISの手腕に期待した形だ。
1日に発表された事業計画によると、テーマパーク「ラグナシア」で11月から、プールや建物に映像を投影する国内初の3Dプロジェクションマッピングを導入する。さらに夜間のイルミネーションを充実させ、弱かった秋冬、夜間営業を強化する。
また、HISは1日から、現地と名古屋駅を1日2往復する直行バス運行を始めた。バスは花火やイベント上演時間に合わせて運行することで利便性を高める。また、自家用車の利用も多いため、県は道路網の整備を検討している。
この他、新アトラクションの導入やレストランの充実を図って集客増を図るとともに、地元からの雇用者数も増やしていく方針。
来場者数は過去5年間の平均が67万6千人。これを来年度85万人、2017年度100万人に増やし、売上高もそれぞれ50億円、60億円にする計画だ。
テープカットに臨む大村秀章知事(中央)、澤田秀雄HIS会長(中央右)ら関係者