第37回「にっぽんの温泉100選」全ランキング


 にっぽんの温泉100選は、旅行のプロである旅行会社(現在はOTAも含む)の投票によって旅行者に人気の温泉地を把握するために1987年からスタート。このランキングに刺激を受けた各地の温泉地が上位を目指して競い合い、全国の温泉地が活性化することも目的としている。

 後援は観光庁、環境省と日本旅館協会、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本温泉協会、日本旅行業協会、全国旅行業協会、日本観光振興協会、日本政府観光局、公益財団法人日本交通公社。国内観光(インバウンド含む)に関わる主な省庁と団体が後援している、にっぽんの温泉100選は、「観光業界が認めた温泉ランキング」だ。

 投票方法は、JTBやKNT―CTホールディングス、日本旅行、東武トップツアーズなどの旅行会社や、じゃらんnetや楽天トラベルなどのOTAを対象に投票はがきを配布し、7月1日から10月末まで投票を募った。加えて、WEBからの投票も受け付けた。

 記載不備や組織票の疑いのある146枚(前回429枚)を除外し、有効投票はがき枚数は2491枚(同2862枚)。このうち約38%(同約35%)がWEBからの投票だった。1枚のはがきに最大5カ所の温泉地を記入できることから、総投票数は1万1082票(同1万2778票)となった。

 1位となった草津温泉は、「日本三名泉」の一つとして抜群の知名度を誇り、さらに質が良い温泉も評判。10月には温泉街の入り口に「温泉門」を新設するなど、地域の魅力づくりを絶え間なく進めていることもあり、長らく温泉100選のトップに君臨している。

 2位の下呂温泉も日本三名泉の一つとして名高い。エコツーリズムを進めることによって地域全体の活性化を推進。2022年に「世界の持続可能な観光地トップ100選」にも選ばれている。

 3位の道後温泉は、「日本書紀」「源氏物語」などさまざまな文献にも登場する、日本最古といわれる温泉。1894(明治24)年に建造された同温泉のシンボル「道後温泉本館」は2019年に営業をしながらの保存修理工事に着手。来年夏に完成する予定だ。

 別府八湯(大分県)も前回と同じ4位。有馬温泉(兵庫県)が昨年の7位から5位へと上昇した。登別温泉(北海道)が6位、指宿温泉(鹿児島県)が7位で、有馬温泉のランクアップにより、それぞれ順位を一つ落とした。8位は昨年と同じ箱根温泉(神奈川県)。9位は城崎温泉(兵庫県、昨年10位)、10位は由布院温泉(大分県、同9位)。トップ10の温泉地の顔ぶれはまったく変わらず、上位の温泉地の安定した強さが示された結果となった。

 11~30位で5ランク以上の変動を挙げると、上昇が19位の万座温泉(群馬県、同29位)、28位の鳴子温泉(宮城県、同42位)、29位の長門湯本温泉(山口県、同50位)、30位の層雲峡温泉(北海道、同38位)の4温泉地。中でも長門湯本温泉が大きく飛躍しているのが目立つ。一方、5ランク以上下降した温泉地は、一つもなかった。

 31~50位の10ランク以上の変動は、上昇が34位の定山渓温泉(北海道、同45位)、38位の平磯温泉(北海道、同60位)の2温泉地。今回の傾向として、30位の層雲峡温泉も含め、北海道の温泉地が上昇している。10ランク以上の下降は、37位の雲仙温泉(長崎県、同26位)、43位の湯田中渋温泉(長野県、同31位)、47位の上諏訪温泉(長野県、同31位)、49位の修善寺温泉(静岡県、同37位)の4温泉地。

 渋温泉は前回に14ランク、上諏訪温泉は43ランクそれぞれ上昇したことから、その揺り戻し的な動きが出たようだ。

 51~100位の20ランク以上の上昇は52位の芦ノ牧温泉(福島県、同圏外)、54位の大雪高原温泉(北海道、同97位)、57位のつなぎ温泉(岩手県、同圏外)、62位の愛山渓温泉(北海道、同98位)の4温泉地。北海道、東北の温泉地が躍進しているす。一方、20ランク以上の下降は、前回に6温泉地あったが今年はゼロだった。

団体旅行におすすめの宿10選

 単年度の企画として、宿泊施設や温泉地に関する今のトレンドを把握する投票も実施している。今回は「団体旅行におすすめの宿」を投票してもらい、上位の10選を決定した。

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