第21回「にっぽんの温泉100選」、群馬・草津温泉が5年連続1位 本社主催


 旅行会社の投票によって消費者に支持されている温泉地を決める第21回「にっぽんの温泉100選」は、草津温泉(群馬県)が1位を維持した。これで5年連続。2位も前回と同じく由布院温泉(大分県)。前回4位だった黒川温泉(熊本県)が3位に上がった。主要な観光団体の後援を得て、観光経済新聞社が主催するこの100選は、まさに”観光業界が認める人気温泉地のランキング”。温泉地同士が競い合い、各温泉地がさらに地域活性化に努めてほしいとの狙いもある。

 にっぽんの温泉100選実行委員会は、観光経済新聞社と日本観光旅館連盟、国際観光旅館連盟、全国旅館生活衛生同業組合連合会、日本温泉協会、日本旅行業協会、全国旅行業協会、日本観光協会国際観光振興機構、財団法人日本交通公社の9後援団体で組織する。5日、投票結果の審査会を東京都台東区の観光経済新聞社本社で開いた。旅行会社が選んだ「人気温泉旅館250選」もこの場で決定した。

投票結果を慎重に検討する審査委員会(本社会議室で)
投票結果を慎重に検討する審査委員会(本社会議室で)

 草津温泉は、下呂温泉(岐阜県)、有馬温泉(兵庫県)と並ぶ日本三名泉の1つ。近年は「泉質主義」を宣言している。温泉100選では、選んだ理由を投票者に「雰囲気」「知名度」「泉質」「施設の完備等」の4項目から聞いているが、草津は泉質と知名度で他の温泉地を引き離した。

 2位の由布院温泉、3位の黒川温泉は、雰囲気が高く評価されている。雰囲気では、草津もベスト3に入るが、黒川、有馬の方が上回った。

 黒川と入れ替わって前回3位の登別温泉(北海道)が4位に。10位までを見ると、有馬温泉(兵庫県)が10位から6位へと上昇したことが目立つ。ほかにも順位の上昇、下落はあるが、いずれも1ランクの小幅な動き。前回も大きな波乱はなく、ベスト10の温泉地が固定されつつある。

 審査会では、変動が少なかった第21回にっぽんの温泉100選に関して「主要な温泉地の人気度は根強いと感じた」との声が聞かれた。上位に入る温泉地は「歴史があって、自然環境に恵まれている」「草津の『湯畑』、登別の『地獄谷』、道後の『道後温泉本館』などランドマークがある」という共通項も指摘された。

 投票募集は、JTBやKNTをはじめとする大手・中堅の旅行会社や、じゃらんnetや楽天トラベルなどネットエージェントを対象に7月1日から10月末まで実施した。記載不備や組織票の疑いからハガキ97枚(前回82枚)を除外し、有効ハガキ数は1万1652枚(同8226枚)。1枚のハガキに最大5温泉地の投票が可能で、総投票数は3万6004票(同3万3727票)を数えた。

 近年、にっぽんの温泉100選は、旅行会社の宿泊企画商品にも多々活用されており、その知名度と注目度が年々高まっている。観光業界内だけにとどまらず、一般の雑誌やテレビなどマスコミに取り上げられるケースも増加している。

 07年度の人気温泉旅館250選は、13選が新たな顔。通算5回以上の入選を果たした優秀旅館・ホテルには「5つ星の宿」の称号を贈っており、今回は250選263軒のうち203軒(前回は190軒)だった。新規入選は19軒。(250選では、同一経営者による同一地域内の旅館は別館および系列館などを含めて1選とカウント。5つ星旅館は、施設規模やグレードなど考慮する必要性から、顧客層の異なる別館や系列館などごとに1軒とカウント)

 07年度の入選施設への認定証授与式は来年1月25日に東京の浅草ビューホテルで開く。授与式は9回目。


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