自民、公明両党は12月14日、07年度与党税制改正大綱をまとめた。減価償却制度や同族会社向け税制を見直すなど企業の税負担を軽減、経済成長を重視した。旅館3団体が要望した8項目は、国土交通省関係の2項目が盛り込まれた。特例措置が延長された「ウェルカム税制」は、要望した対象設備の一部を採用、訪日外客受け入れのため、国際放送設備と高速通信設備が新規に対象となった。
外客来訪促進法の宿泊拠点地区の国際観光ホテル整備法登録ホテル・旅館に対するウェルカム税制は、現行の厨房設備を廃止した。新規に対象となるのは、海外のテレビ番組などを受信する国際放送設備、インターネット環境などを向上させる高速通信設備の2種。
新規取得280万円以上、リース370万円以上で、所得税・法人税の特別償却30%または税額控除7%は現行通り。
ウェルカム税制による設備への特例措置は97年度に開始。廃止された厨房設備は初年度から対象に含まれ、継続されてきたが、適用は計4件にとどまり、ここ約2年間は実績がなかった。
旅館3団体は、国際放送・通信設備のほか、個別空調設備、バリアフリー設備、健康増進・滞在快適性向上設備を挙げ、国交省も要望事項に加えたが、採用されなかった。
認められたもう1つの項目は、05年度に創設された特例措置の2年延長で、民間の地域観光振興組織(ATA)の公益法人が、文化財に指定登録された家屋・土地を取得する場合、不動産取得税の課税標準から2分の1を控除するもの。
このほか旅館3団体が要望した、入湯税の廃止、旅館業の事業所税廃止、国内旅行費用の「リフレッシュ所得控除」、減価償却制度や固定資産税の見直しなど6項目は認められなかった。