福島県大型観光キャンペーン推進委員会(委員長=佐藤雄平知事)は2月25日、第2回の委員会を開き、12年度を中心に前後3カ年の予定で実施する観光キャンペーン「福島県大型観光キャンペーン」の実施計画を決めた。キャッチフレーズは「旅すればふるさと ほっとするふくしま」。地域提案型の体験型商品などを幅広くラインアップするなどして「ふるさと」を感じさせる福島の魅力をアピールし、12年度の宿泊者数で09年度比10%増の785万人泊を目指す。
12年度の本キャンペーンでは、「まなび」「食」「いやし」をセールスポイントに据えてキャンペーンを展開。同県の「中通り」「浜通り」「会津」の3地域の特色を生かした地域キャンペーンを順番に打ち出し、季節ごとに発信していく。
このほか通年特別企画として、県内の新しい魅力を発見できるような体験プログラムや体験型ツアーを300以上設定。食に焦点を当て協力施設をお得に周遊できるパスポート「ふくぱす」の発行、円盤餃子などのご当地グルメを集めたイベントの開催なども予定する。
キャンペーンの広報、PRでは、ガイドブックを4半期ごとに25万部程度作成し配布するなどの従来型の情報発信のほか、スマートフォンを使ったナビゲーションサービスの提供や、ミニブログ「ツイッター」、動画提供サイト「ユーチューブ」などを使った県民全員参加による情報発信の確立などを進める。
ロゴマークは、同県内7つの生活圏を表す7つの点を結んだ形で福島の頭文字であり、キャンペーンの柱である「ふるさと」の頭文字でもある「F」を表現、訪れる人を優しく包み込みふるさとを感じさせる同県を表した。イメージキャラクターは同県のキャラクターとして浸透している「キビタン」を活用する。
プレ期間となる11年度は、旅行会社へのトップセールスや現地招待説明会で商品造成を働きかけるほか、着地型旅行商品の商品コンテストなどを実施。もてなしの機運向上のための県民運動なども進め、来年のキャンペーンに備える。高速道路の延伸などに合わせたプロモーションなども展開する予定だ。
JRグループによるデスティネーションキャンペーンが地方での観光キャンペーンの中心となる中、同県は独自のスタイルでの観光キャンペーンに取り組む。JR各駅でのPRなどの面でJRの全面的なバックアップがないキャンペーンであることから、「予算縮減などの中、広告宣伝などで厳しい面があるのは否定できない」(同県観光関係者)との声もある。しかし、キャリアに依存しない独自スタイルのキャンペーンを同県が確立できれば、自治体主導のキャンペーンの可能性を拡げることになりそうだ。
キャッチフレーズを発表する佐藤知事(写真中央左)、
うつくしま観光プロモーション推進機構の菅野豊会長(同中央右)ら