磐梯熱海温泉旅館組合(福島県郡山市)と郡山市の農業生産者団体が、地元の農産物の魅力と安全性をアピールするプロジェクトに共同で取り組んでいる。地元食材に関する勉強会と料理開発を行い、今年11月に地元で開催するシンポジウムで取り組みの成果を発表する。地産地消を進めるとともに、原発事故による風評被害を打破したい考えだ。
プロジェクト(名称=ふくしま食の未来プロジェクト)は、全国中小企業団体中央会が主催する「中小企業の協働による国内外販路開拓等支援事業」の一環。平成23年度補正予算事業で、中央会が補助対象者を募集したところ、同プロジェクトが採択された。
取り組むのは、磐梯熱海温泉の旅館組合と、郡山市の農業生産者団体「郡山農業青年会議所」。「温泉地における地産地消の取り組みは、全国各地で少しずつ試みられているが、継続的、包括的な地元農産物の購入使用の仕組みは、十分に確立されているとは言い難い」と、生産者と旅館が手を携え、地産地消の仕組み作りを検討する。
プロジェクトには、山形県鶴岡市のレストラン「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフがアドバイザーで参加する。奥田氏は一部農家の無認可農薬使用問題で深刻な風評被害に見舞われた山形県で、地元食材の魅力を引き出す料理の提供で被害を払拭した経験を持つ。
勉強会は第1回を7月27日に実施。地元郡山市の農場で生産現場の見学や、トマトなど生産物の食べ比べを行った。今後も月1回のペースで行う予定だ。
地元の食材を学んだ第1回勉強会