石川、福井、岐阜、白山開山1300年で魅力発信


バスツアーなどで特別に鑑賞できる白山下山仏

 日本三名山の一つに数えられる白山。今年、泰澄大師による開山から1300年を迎える。石川、福井、岐阜の3県の自治体などでつくる環白山広域観光推進協議会は、旅行者に白山信仰、環白山エリアの歴史、文化、自然を体感してもらおうと、節目の年ならではのイベントや企画を各地で準備している。

 泰澄大師が白山を開いたのは717(養老元)年。修験の場として全国に白山信仰が広まり、登山道は「禅定道」として整備され、加賀、越前、美濃には登拝の拠点「馬場」が形成された。

 加賀馬場は現在の白山比咩(しらやまひめ)神社(石川県白山市)、美濃馬場が現在の長滝白山神社・長瀧寺(岐阜県郡上市)、越前馬場が現在の平泉寺白山神社(福井県勝山市)。明治以降は、白山比咩神社が全国約3千社の白山神社の総本宮となっている。

 開山1300年の特別企画として、白山市観光連盟では、「白山下山仏」特別観賞バスツアーを実施する。明治の廃仏毀釈の中、住民たちは山から降ろした一部の仏像を「白山下山仏」として山麓に大切に安置した。ツアーでは普段は非公開の貴重な白山下山仏を鑑賞できる。催行日は、7月23日、8月11、17、19日、9月18日。

 白山比咩神社では、8月9~11日に1300年大祭を行う。神社の宝物館では8月9~20日、9年ぶりの一般公開となる国宝の剣「吉光」をはじめ、重要文化財を特別公開。また、神社の昇殿への参拝と、白山の伏流水を満たしたみそぎ場で行うみそぎ体験を組み合わせたプログラムを今年は4~9月に12回行う。

 国史跡、福井県勝山市の白山平泉寺は、泰澄大師によって開かれた白山信仰の越前側の拠点で、開山1300年を迎える。明治の神仏分離令で寺号を廃止し、平泉寺白山神社となったが、境内は美しいコケで覆われ、「苔寺」とも呼ばれる。

 白山平泉寺の魅力を知ってもらうため、4月23日~10月29日の日曜・祝日に無料の観光ガイドツアーをバスの到着に合わせて定時に行う。平泉寺白山神社の宝物館では7月15日~8月21日に文化財が特別公開される。

 美濃側の登拝の拠点は岐阜県郡上市。長滝白山神社・長瀧寺の境内では、7月29日夜に「姫神白山夢幻奏」と題したコンサートが開催される。シンセサイザー奏者の姫神が出演するほか、伝統芸能の披露や寺社のライトアップが行われる。

 約420年の歴史を持つ夏の風物詩、郡上おどりも、白山信仰の影響を受けたとも言われ、白山開山1300年と連動した企画が行われる。

 
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