文化審議会(石沢良昭会長)はこのほど、川湯温泉(和歌山県田辺市)にある亀屋旅館本館など186件の建造物を国の登録有形文化財に指定するよう渡海紀三朗文部科学相に答申した。同文化財の登録数はこれで7010件となる。
亀屋旅館本館は同温泉街のほぼ中央にある。1928年に建てられた木造2階建て、瓦葺きの和風旅館で、大正末期から昭和初期にかけてにぎわった当時の温泉旅館の風格を伝えていることなどが評価された。
また、旅館では千葉県船橋市の玉川旅館本館なども登録対象となった。
主なものを見ると、岩手県遠野市の曲り屋民家として有名な旧佐々木家住宅主屋や旧川前家住宅主屋、長野・旧軽井沢のメーンストリートに建てられた洋風建築「明治四十四年館(旧軽井沢郵便局舎)」などがある。
旧佐々木家住宅主屋は明治期に建てられた上層農民の大型曲り屋。寄棟造の茅葺に入母屋造の土間と馬屋が突きだし、大規模で風格ある外観が評価された。
亀屋旅館全景