
IASは1月16日、 デジタル広告業界の動向を予測する年次調査レポートを発表。 生成AIがメディア品質への新たな脅威になるだろうと予測した。
Integral Ad Science(IAS)では、デジタル広告業界の動向を予測する年次調査レポート「The 2025 Industry Pulse Report 日本版」を発表しました。デジタル動画やソーシャルメディア、新興メディアにおける機会と課題、AI生成コンテンツやディープフェイクの増加によるデジタル広告への影響、インフルエンサーマーケティングに対する認識など、2025年の新たなトレンドについて掘り下げています。
本調査は、日本の広告主、広告代理店、媒体・パブリッシャー、250名以上を対象に2024年9月、IASが外部調査機関であるYouGov社と共同で実施しました。
The 2025 Industry Pulse Report 日本版 主要ポイント
1. 「デジタル動画」が2025年の優先フォーマットでトップに
● 優先メディア第一位は「デジタル動画(51%)」、次いで「ソーシャルメディア(42%)」となった。メディア専門家の約半数が、最もイノベーションの可能性を秘めたメディアにも「デジタル動画」を挙げた
● ソーシャルビデオの急成長やCTVでの視聴時間の増加により、消費者は従来のテレビからデジタル媒体へとシフトしており、それに伴い広告費も移行することが予測
● 一方で、デジタル動画の在庫拡大により、アドフラウド(72%)やブランドリスク(72%)に対する懸念が高まっている
● 71%の専門家が、デジタル動画キャンペーンのパフォーマンス評価においては「アテンション計測」を重要視し、63%はブランドセーフな環境での広告配信を実現するためには、機械学習の活用が鍵になると考えている
2. ソーシャルメディアプラットフォームは依然として重要なメディア
● ソーシャルメディアは2025年においても依然として重要なメディアであり、ソーシャルショッピングやインフルエンサーマーケティングがもたらす新たなマーケティング機会の創出が予測されている
● 84%の専門家が、ソーシャルショッピングのトラフィックの継続的な成長を予測しており、71%がソーシャルプラットフォームにおける広告戦略でインフルエンサーマーケティングがますます重要になると見込んでいる
● 一方で、消費者の信頼を維持することが課題として残っており、73%の専門家が、ソーシャルメディアのメディア品質の透明性欠如が2025年のソーシャル広告費に悪影響を及ぼす可能性があると予測している
3. 生成AI:メディア品質への新たな脅威
● 生成AIの急速な進化により、ディープフェイクを含むデジタルメディア品質への新たなリスクが生じている
● 日本のメディア専門家が最優先する「デジタル動画」と「ソーシャルメディア」はどちらも、特に生成AIやディープフェイクコンテンツに関連するブランドセーフティの懸念に脆弱と見られている
● 専門家の過半数である58%が「生成AIによりMFAサイトの作成が容易になり、これらのサイトにおける広告の計測と回避する必要性」を認識している
● 2024年、日本でのディープフェイクコンテンツは前年比243%で急増しており、積極的な対策の必要性が急務と見られる。こうした課題に対処するため、メディア専門家の71%が「ディープフェイクに隣接した広告表示を防ぐには、第三者による検証が重要になる」と考えている
4. 広告主の戦略は「ブランドセーフティ」から「ブランドスータビリティ(適合性)」へと進化
● 日本の広告主は、従来のブランドセーフティの概念を越えた「ブランドスータビリティ(適合性)」(55%)を今年優先する取り組みに挙げた
● ブランドスータビリティとは、ブランド独自の価値観やメッセージ、ターゲットオーディエンスの好みを考慮し、広告を安全なだけでなく、文脈的にも適切なコンテンツ環境に広告が表示されるようにする精緻な戦略のことで、リスク軽減とリーチの最大化を両立させ、ROIを向上させながらブランドの評判を維持することができる手法への関心の高まりが見られた
『The 2025 Industry Pulse Report 日本版』は、今年の広告業界を形成する主要なトレンドや新しい技術についての洞察を提供します。より詳しい結果は、フルレポートをご覧ください。
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