環境省は、「温泉資源の保護に関するガイドライン(地熱発電関係)」について、5年ごとの点検、見直しの時期を迎え、改訂に向けた検討を始めた。ガイドラインは、都道府県が地熱開発の掘削許可を判断する際の技術的な助言。昨年9月、政府の規制改革に伴い一部が改正されたが、改めて全体を見直す。地域に再生可能エネルギーの利用などを促す改正地球温暖化対策推進法(改正温対法)などの最新情報を反映させるほか、地熱開発の技術情報や開発地域の事例などを追加する方向だ。
有識者を委員とした改訂検討会の初会合が7月27日に開かれた。月1回程度の検討を重ね、改訂案のパブリックコメントを11月下旬~12月下旬に実施。来年2月に中央環境審議会・自然環境部会温泉小委員会に諮った上で、3月に改訂、都道府県へ通知する予定。
主な改訂事項は、昨年9月に発出された一部改訂をガイドライン全体版に挿入する。大規模な地熱開発に関する(1)地熱貯留層の規模に応じた全体計画を加味した掘削許可の考え方(2)他の地熱貯留層や温泉帯水層との離隔距離の在り方(3)モニタリングと順応的管理の実施―などを追加する。
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