玉川大、山形大と合同で蔵王活性化プロジェクト開始


 玉川大学の折戸晴雄・経営学部観光経営学科教授を中心とする研究グループは、山形大学の村松真・エンロールメントマネジメント部准教授らが行っている「蔵王温泉開発プロジェクト」と合同で「蔵王温泉スキー場活性化プロジェクト」を始めた。

 テーマは「蔵王温泉の観光(レクリエーション)と再開発(リ・クリエーション)」。具体的には、(1)樹氷(スノーモンスター)のキャラクター開発などによる蔵王温泉スキー場のブランド強化(2)雪合戦大会、雪像つくり大会、雪かき・雪下ろし体験など「雪とのふれあい」の訴求によるファミリー層と訪日外国人の誘客(3)宿泊施設との連携による外国人受け入れ態勢の強化──などを行う。スキーリゾートから“スノーリゾート”への転換をめざす。

 折戸教授と折戸ゼミの学生30人は今年7月に蔵王温泉でゼミ合宿を実施。村松准教授と山形大学人文学部地域づくり政策研究会の学生2人との意見交換会=写真=を行った。さらに10月、山形県出身者も含む玉川大生メンバーによる現地調査を実施した。

 山形大学人文学部と蔵王温泉観光協会(斉藤長右衞門会長=わかまつや社長)は09年に地域連携協力協定を締結、蔵王温泉開発プロジェクトを進めてきた。蔵王温泉スキー場活性化プロジェクトは、村松准教授と折戸教授、蔵王温泉協会が中心となり、山形市商工観光部観光物産課、タカミヤグループ(岡崎彌平治社長=蔵王温泉観光協会副会長)の支援を受けながら進める。玉川大学芸術学部、工学部も今後同プロジェクトに加わる。

 蔵王温泉スキー場は、1980年代のスキー全盛期には1シーズンあたり150万人の来訪者があったが、現在は3分の1の50万人まで落ち込んでいる。スキー客の減少に伴って250万人だった蔵王温泉の年間訪問者数も150万人まで減った。

 蔵王温泉スキー場活性化プロジェクトでは、スキーシーズンにスキーを目的としない観光客の増加を狙う。

 
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