レジオネラ属菌対策に詳しい水処理メーカーのアクアスは、熱交換器や配管に付着したスケールを除去する「MAC洗浄」を提案している。MACは、Measuring Active Concentrationの略。シリカなど硬質で塩酸などには溶解しないため除去が難しいスケールを同社独自工法できっちりと落とす。熱交換器や配管に付着したスケールは、効率低下や閉塞(へいそく)などのトラブルの原因となっており、アクアスへの相談も多いという。
MAC洗浄は、洗浄有効成分を常に把握し、有効成分が足りないと計測した段階で、その都度、薬剤の使用量を決めて追加投入するもので、「大変手間がかかる工法」とアクアス。洗浄有効成分を過不足なく維持することで、これまで勘と経験で行われてきた洗浄工程の管理を「見える化」する。洗浄剤不足による洗浄不良がなく、機器へのダメージを最小限に抑える。
また、薬剤はプロしか取り扱いができない特殊製品を使用。酸性と、アルカリ性、付着したスケールに対応する薬剤を用意している。
同社によると新潟県にある温浴施設では、源泉噴き出し地点から約1キロを引湯しているが、温泉配管内部に硬質スケールがバームクーヘン状に分厚く付着し、内径65ミリある配管が8ミリ程度の小指ほどまでにふさがっていたという。
温浴施設で利用できる湯量が非常に少なくなり、源泉掛け流しと言えない状況になっていた。温泉配管は道路に埋設されているため、配管をすべて更新するには道路を長期間にわたり通行止めにする必要があり、工事許可も下りなかった。
そこでアクアスが現地調査を行い、MAC洗浄を施した結果、配管をふさいでいたスケールをほぼ取り除くことに成功。温浴施設の湯量は、源泉掛け流しができるまでに回復したとしている。
MAC洗浄前(上)と洗浄後(下)の配管内部