帝国データバンクによると、温泉旅館「汐汲苑」(京都府宮津市)は1月22日に京都地裁宮津支部から破産手続き開始決定を受けていたことが判明した。
同社は1982年4月に設立した老舗旅館。料理旅館「天橋立温泉 湯らゆら温泉郷 汐汲苑」を経営し、日本海に面した客室を備えることで夏場の海水浴シーズンの利用客は一定数確保していた。近年はインターネットサイトからの集客も強化することで、5千万円程度の年商規模で推移していた。
しかし、2003年以降は京都縦貫自動車道が開通したことで、天橋立から離れた立地の旅館宿泊客や宴会利用客が減少。同業者との価格競争などもあって集客が想定通りに進まず、20年に入ってからは新型コロナウイルスの感染拡大により利用客が激減。同年6月ごろに営業を停止していたところ、先行きの見通しが立たないことから今回の措置となった。
負債は約1億2500万円。