環境省は10日までに、2016年度の「温泉利用状況」をまとめた。それによると、17年3月末現在の温泉地数(宿泊施設のある場所)は全国で3038カ所となり、前年同月時点と比べ117カ所減っていることが分かった。
源泉総数は2万7422カ所で、同208カ所増えている。総数のうち、利用源泉数は1万7218カ所。自噴は4117カ所にすぎないが、前年度と比べると41カ所増。対して、動力は19カ所増の1万3082カ所。
未利用源泉数は1万203カ所で、うち自噴は3549カ所だった。温度別源泉数を見ると、最も多いのは42度以上で、1万2553カ所となっている。25度以上42度未満は6855カ所、25度未満は4034カ所ある。
湧出量は自噴が毎分74万7747リットル、動力は198万5727リットル。自噴、動力ともに増えているが、特に動力は約9万8千リットル増と大きく増加。
宿泊施設数は同100軒減の1万3008軒で、延べ宿泊利用人員も約194万人減の約1億3013万人にとどまった。また、国民保養温泉地の延べ宿泊利用人員は約1万4千人増の約887万人。温泉利用の公衆浴場数は34カ所増え、7898カ所となっている。
温泉地数を都道府県別にみると、最も多いのは北海道の245カ所。次いで、長野県(215カ所)、新潟県(147カ所)、青森県(132カ所)、福島県(131カ所)の順で、東日本が上位を占めている。最も少ないのは沖縄県の7カ所だった。
一方、源泉数では様相が変わる。大分県が4385カ所と断トツで、2位の鹿児島県の2764カ所を大きく上回る。以下、静岡県(2261カ所)、北海道(2230カ所)、熊本県(1352カ所)、青森県(1098カ所)と続く、最も少ないのは温泉地数と同様沖縄県で、15カ所。ただ、前年度より2カ所増えている。
利用源泉数のうち、自噴の割合が大きいのは大分県(688カ所)、北海道(409カ所)、鹿児島県(325カ所)など。自噴と動力を合わせた湧出量が最も多かったのは大分県で、毎分28万1331リットルだった。