
環境省の坂本参事官(右)と話し合う廣川会長(左奥)と佐藤委員長(左前)
日本温泉協会(廣川允彦会長)は9日、「無秩序な地熱開発に反対する」とした要望書を環境省や資源エネルギー庁、観光庁に提出した。「わが国のかけがえのない自然と温泉源の保護は電力確保と同じく大きな社会問題」と主張し、開発に慎重な姿勢を求めた。
廣川会長と佐藤好億地熱対策特別委員長、寺田徹専務理事が各省庁を回った。環境省は坂本文雄自然環境整備担当参事官が応対した。温泉協会は今年度会員総会で地熱開発反対の決議文を採択しており、要望書にはこの決議文を添付している。
決議文は「再生可能エネルギーは否定しない」と前置きした上で、「二酸化炭素排出量削減を目的とする地産地消型の小規模温泉発電(バイナリー発電など)やヒートポンプによる温泉熱利用など、既存の温泉余熱は有効に活用していくべき」との立場を示している。
また、「地熱開発の際は電力確保と温泉資源保護の2つの公益が共存することが前提なる」として、無秩序な状況を回避するため、(1)地元(行政や温泉事業者など)の合意(2)客観性が担保された相互の情報公開と第三者機関の創設──など5項目を提案した。
「観光立国を目指すわが国の観光資源の重要な柱の1つが温泉」と訴え、「このまま(無秩序な開発が)進めば、将来に大きな負の遺産を残すことは明白」と指摘している。

環境省の坂本参事官(右)と話し合う廣川会長(左奥)と佐藤委員長(左前)