温泉まちづくり研究会、滞在プログラム学ぶ


温泉まちづくり研究会の会合(19日)

温泉まちづくり研究会の会合(19日)

 全国の7温泉地を会員に公益財団法人JTB(JTBF)が事務局を運営する「温泉まちづくり研究会」の今年度第3回会合が19日、東京都千代田区のJTBF会議室で開かれた。今会合の研究テーマは滞在プログラム。着地型旅行の先進地として知られる長野県飯山市から信州いいやま観光局の木村宏事務局次長を講師に招き、温泉地の地域づくりに生かせる滞在プログラムのあり方を考えた。

 斑尾、戸狩、なべくら高原などがある飯山市は、スキー需要に依存した観光地から、自然や文化を生かした体験、交流を伴う通年型の滞在プログラムを提供する観光地へと転換。2010年4月には、飯山市観光協会から改編して、一般社団法人の信州いいやま観光局を発足させた。

 第2種旅行業に登録する同観光局は、地域住民の協力を得て造成した着地型旅行プラン「飯山旅々。」を販売している。ブナ林を生かしたトレッキングやセラピー、住民と交流できる農業体験やボランティアなど300種以上のプランを展開。販売実績を年々伸ばしている。旅行商品の他にも宿泊施設などが多くの滞在プログラムを実施している。

 着地型旅行への取り組みについて、講師の木村次長は「それまで旅行会社に頼ってスキー客や宴会客を受け入れるだけだった民宿、ペンション、旅館を再出発させる契機になった。自分たちで商品をつくり、お客さまの顔をしっかりと見るという原点に立ち返ることができた」と語った。

 滞在プログラムの舞台となる空間づくりとしては、市の条例などを基に商業看板の高さを低くするなどの景観づくりも進めている。

 研究会会員の他の温泉地からは、事業の財源に関する質問が挙がった。信州いいやま観光局では、事業予算全体として市の支援のほか、観光施設の運営収入などの財源を持つ。木村次長は「着地型旅行商品事業単体での運営は厳しい。ただ、参加者は右肩上がりで、これから伸びる事業。費用対効果を問題にしていた地元の関係者の理解も深まってきている」と説明した。

 温泉まちづくり研究会は、温泉地に共通する課題の解決策を探る目的で、08年4月に設立された。

 会員の温泉地は、阿寒湖温泉(北海道)、草津温泉(群馬県)、鳥羽温泉(三重県)、有馬温泉(兵庫県)、道後温泉(愛媛県)、由布院温泉(大分県)、黒川温泉(熊本県)。

温泉まちづくり研究会の会合(19日)
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