渋谷区と東急は8月26日、グローバル拠点都市の形成等に関する包括連携協定を締結した。
- 主旨
これまで両者は、まちの課題解決を目指し、基盤整備事業をはじめとする大規模な再開発や、官民一体で組成した「渋谷駅前エリアマネジメント」の活動、地域イベントへの参画・協力など、さまざまな分野で連携し、渋谷のまちの価値向上に取り組んできました。
再開発が一つの節目を迎えた中で、本協定の締結により、相互の知見や人的交流を活用し、ソフト面のまちづくりを連携して推進します。具体的には、区内に拠点を有するスタートアップ企業やその関連団体などと積極的に協業を行い、「人財育成」を通じたスタートアップ・エコシステムの形成を目指すほか、5Gといった新たな技術革新などを活用し、新たな社会インフラ整備を推進することで、エンタテイメント産業の「産業育成」を図ります。
また、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、渋谷の産業の特色である観光産業・エンタテイメント産業が大きな打撃を受け、新たな形での産業観光振興が求められています。渋谷を訪れる方々が、安全・安心に、まちに滞在できるよう、両者が連携して、Withコロナ・Afterコロナに対応した新しいまちづくりに取り組みます。両者は今後公民連携で、スタートアップ・エコシステムのさらなる発展、文化発信と産業振興を推進し、渋谷のまちの国際競争力を高めることで、世界を代表する海外都市として、グローバル拠点都市の形成を目指します。
- 協定締結の背景
渋谷区 |
「渋谷区産業・観光ビジョン」の策定 ●チャレンジできるまち。新たなビジネスが生まれるまち ●商店街や中小企業が輝くまち ●常に新たなカルチャーやエンタテイメントが生まれるまち ●誰もが快適かつ安全・安心に滞在を楽しめ、賑わいが活力につながるまち |
東急 |
「エンタテイメントシティSHIBUYA」の推進 ●渋谷を「働く・遊ぶ・暮らす」といった多機能が融合する街にすることを目指し、渋谷駅周辺の再開発を推進 ●安全・安心、快適で、歩きやすい街を実現 ●スタートアップ・エコシステム形成による産業育成、文化発信 |
- 協定の主な内容
(1)名 称
「渋谷区産業・観光ビジョン」と「エンタテイメントシティSHIBUYA」の実現に関する包括連携協定
(2)基本理念
渋谷区と東急は相互に協力し、渋谷区が提唱する「渋谷区産業・観光ビジョン」と東急が提唱する「エンタテイメントシティSHIBUYA」の実現を目指す
(3)連携協働事項
①グローバル拠点都市の形成に関すること
②創造文化都市の実現に関すること
③人財育成及び人的交流に関すること
④区内に拠点を有するスタートアップ企業や、その関連団体等との協業に関すること
(4)協定有効期間
2020年8月26日から2023年3月末日まで
(5)具体的な取り組み分野(イメージ)
①5G通信環境
・渋谷駅前を中心とした5G環境の面的整備
②エンタテイメント
・スタートアップ企業のもつ技術を活用し、リアルとバーチャルの融合等のWithコロナ、afterコロナに適応したエンタテイメント産業の新たなあり方の実証実験の推進
③スタートアップ・エコシステム
・起業しやすい環境整備、国内外含めた情報発信
・スタートアップ企業の実証実験の支援
【参 考】
■渋谷区産業・観光ビジョン
「渋谷区基本構想」「渋谷区長期基本計画2017-2026」で掲げる方針をより具体化するために策定したものです。「ビジネスの冒険に満ちた街へ。」「あらたな文化を生みつづける街へ。」という方針に基づき、渋谷の産業・観光の現状分析と具体的な将来像を、渋谷の「いま」と「みらい」という2章構成で策定しました。
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kusei/shisaku/ku_keikaku/sangyokanko_vision.html
■創造文化都市
渋谷駅周辺では、すり鉢状になった谷地地形に沿って、多様なスケールの建物とストリートが独自の空間を形成し、そこに集まる多様な用途・人が唯一無二の魅力を形成しています。この多様性を大事にしながら、集まった人がインクルーシブに、新たな価値や文化を生み出していく。そのような都市が創造文化都市として目指している都市像です。その実現に向け、渋谷駅周辺のアドバンテージを活かし、多様な人・空間・機能の集積を促すまちづくりを進めていきます。