熊本県・人吉温泉の「清流山水花あゆの里」は今年2月、高付加価値化補助金を活用した施設改修を実施した。今回は和室にベッドを導入。個人客対応の強化と客室の高質化による高付加価値販売を目指した。
同館は2020年7月に発生した球磨川水害で被災し、「水害復旧プロジェクト」を発足。営業再開後の新たな旅館の姿として、団体・グループ客受け入れ重視の営業方針から個人客主体への転換を図っていた。
今回の改装では、以前から個人客対応の課題があった和室にベッドを導入する改修を実施。2タイプあった一般客室のうち、和室のまま使用していた部屋にベッドを導入し、和モダンツイン仕様へ変更。仮設ベッドでツインとしていた部屋も、本格ベッドを導入することで、和モダンツインのスタンダード仕様に格上げし、一般客室17室が和モダンツインとして再整備された。
露天風呂付き客室5室にもベッドを導入。標準定員は5人から2人へ縮小となったが、ベッドニーズの増加に対応させた。結果として、収容数は350人から200人規模に圧縮され、室数74室のうち8割程度がベッド仕様となった。
このほか、同館では施設外観や洋室の再整備も実施。旧館の玄関に加え駐車場周りの塀や植栽を新館同様に整備し、竹林に囲まれた景観でメイン玄関との意匠統一を図った。汚れの目立つ外壁は再塗装することで、施設のグレード感を高めた。洋室ツイン8室の再整備は今回の補助金対象外だったが、磨きやリペア中心のリフレッシュ改装を実施した。総合企画は、リョケン。
改装後の和室