天皇陛下が皇太子時代の学童疎開時に滞在され、玉音放送を聞いた「旧南間ホテル」=写真=の建物が今年夏、1973年に移築された栃木県益子町で宿泊施設としてオープンするが、これに伴って町は運営者を募集している。
旧南間ホテルはかつて日光市湯元にあった。天皇陛下は戦局の悪化を受け、45年7月から数カ月間ここに滞在し、8月、和室の「御座所」で放送を聞いたという。ホテルはその後73年に現在地に移築され、2016年に町内の法人から寄付され、町所有となっている。
建物は木造2階建ての延べ床約600平方メートル。御座所のほか、食堂なども備え、五つの客室がある。現在、改修工事が進められている。町は御座所を常時公開するとともに、終戦時の頃の資料などを展示する「平和のギャラリー」を整備する方針だ。
町は運営業者の応募条件として、(1)旧南間ホテルの歴史的背景を理解した運営ができること(2)法人、個人、法人または個人によるグループであること―などを挙げている。
募集期間は1月31日まで。書類審査や調理の実技検査、プレゼンテーション、面接などを経て決定する。問い合わせは、益子町の観光商工課タウンプロモーション係、TEL0285(72)8846。