愛媛県松山市は12月から、道後温泉を訪れる観光客を対象に電気自動車(EV)や電動アシスト自転車などを貸し出し、利用者の行動パターンを検証して観光振興と二酸化炭素(CО2)削減の効果を調べる社会実験を行う。実験の結果を踏まえて将来的には、観光客だけではなく、市民も含めて貸し出し事業を本格運用することを目指す。
市は9日、JTB中国四国を代表とする共同企業体と業務委託契約を行った。また15日には、鉄道会社や旅館経営者など観光関係者らを対象に懇談会を開催し、実験の概要を説明した。
市の計画によると、実験は12月上旬から来年1月下旬まで実施する。貸し出し対象は原則、道後温泉や松山城周辺を訪れる観光客。
伊予鉄道道後温泉駅近くに貸し出し場所「モビリティセンター」を設置し、EV2台、1人乗り小型自動車1台、電動アシスト自転車5台、自転車10台のほか、EV用充電器やトイレなどを配置する。センターには委託業者の職員が常駐し、観光案内業務も行う。
センターの営業は原則、日、月、金、土の週4日。営業時間や貸し出し料金などの詳細な内容は11月中旬ごろに決定する予定。市ではネットエージェントとの協力の可能性も探っている。
利用した観光客(モニター)を対象にアンケート調査を実施。実験後、観光客の交通手段転換の可能性やCО2削減などについて評価し、対象者を一般市民に広げることが可能かどうかも検討する。