
中山区長(右)に俳句ポストを渡す野志市長=10日、新宿区役所で
「俳都・松山」のブランド化の一環として、観光俳句ポストの設置を進めている松山市は10日、俳人・正岡子規の友人だった夏目漱石が生まれた東京都新宿区にポスト2個を贈った。これで県外に設けたポスト数は11個となり、県内と合わせると101個となった。
同日、新宿区役所で贈呈式が行われ、野志克仁市長が中山弘子区長にポストを手渡した。ポストは木製で、高さ約50センチ、幅と奥行きが約20センチ。知的障害施設「おいでや共同作業所」で作られたという。漱石の小説「吾輩は猫である」にちなみ、黒猫の装飾が施されている。
ポストは区立漱石公園内の交流施設「道草庵」と新宿歴史博物館に置かれる。
野志市長は「新宿区さんには(毎年、新宿駅西口広場で開く)『松山の物産と観光展』でお世話になっている」と親密さを強調した上で、100個目、101個目という記念のポストを笑顔で渡すと、中山区長は「漱石と子規のつながりが(俳句ポストという)形となっているのが嬉しい」と返した。
区長が「松山にはまだ行ったことがなく、憧れの土地」と言うと、市長は、「来ていただいた折には私が案内役を務めたい」と買って出、職員の旅行で利用してもらいたいとセールスしていた。
ポストは1966年に子規生誕100年を記念して開始。設置1号は松山城で、以後、道後温泉の旅館・ホテル、路面電車など市内90カ所に設置されている。
市は子規ゆかりの地やスペシャルドラマ「坂の上の雲」のロケ地などにも協力を求めポストの設置を進めており、都内の同ポストはこれで3カ所となる。

中山区長(右)に俳句ポストを渡す野志市長=10日、新宿区役所で