国土交通省東北運輸局は10月31日、JR盛岡駅を中心に、外国人モニターが構内の案内標記や外国語表記などをチェックする「外国人による『ひとり歩き点検隊』」事業を実施した。「全体的にサイン(英語)の字が小さい」「(JRの)上りと下りの意味が分からない」といった外国人ならではの厳しい意見が出た。
点検隊事業は06年3月の成田空港を皮切りに、全国の国際空港や外国人の利用が多い京都駅などで実施されてきた。同局管内では07年12月に青森、秋田、仙台、福島の4空港で実施された。
今回の事業では「一度ツアーで日本を訪れたことのある外国人旅行者が今度は1人で宮城、岩手を巡る旅にきた」というシチュエーションで、東北新幹線で仙台駅から盛岡駅へ到着し、盛岡市内の観光を楽しんだ後、在来線で小岩井農場を目指すコースを設定。盛岡駅と乗り継ぎ交通機関(バスやタクシーなど)までの案内標記、外国語表記についてチェックした。
参加したのは盛岡市や秋田市在住の留学生などで、中国、台湾、韓国、英語圏の4カ国、各2人の計8人。
盛岡駅構内では「新幹線乗り場にも地図がほしい」「自動発券機に中国語の切り替えがほしい。英語しかない」「案内板の高さがバラバラで見づらい」「案内板にハングル語が入っていたり、なかったりなのでばらつきを感じる」などの意見があった。
また、バスやタクシー乗り場についても「サインが小さい」「高速バスと路線バスの区別がつかない」など、日本人には当たり前のことが外国人には理解できず、説明不足にある現状が浮き彫りになった。
同局では意見を参考に、関係者と連携を図りながら施設整備を進めたいとしている。