東北観光推進機構は11月21日、大阪市内のホテルで、関西の旅行会社、航空会社、マスコミを対象に関西では初の観光セミナーを開催した。新潟を含む東北7県を物語風にアレンジしたパンフレットを紹介するなど東北の観光をアピールした。
冒頭、幕田圭一・同機構会長(東北経済連合会会長)は「東北を旅行先に選ばなかった理由をアンケート結果でみると、遠い、費用がかかる、情報量が少ない となった。東北の情報を発信することが重要と考え、物語風にまとめたパンフレットを作った。これを最大限に活用し、関西から送客してほしい」と協力を求めた。
次いで、東北側代表と関西の旅行会社、航空会社による討論が「東北観光の魅力」をテーマに開催された。コーディネーターは清水愼一・JTB常務取締役。
東北側のアピールとして、「岩手県は、おとぎばなしや妖怪の伝説がリアリティをもつ世界が残っている」(達増拓也・岩手県知事)、「関西では、東北の観光素材はほとんど知られていないが、知ってもらえれば新鮮に感じられると思う」(後藤靖子・山形県副知事)、「関西からの観光客には、テンポの違いなどで戸惑ったこともあったが、今は問題なく、おもてなしができる」(佐藤潤・国観連東北支部長)との意見が出た。
関西からは、「東北のツアーは順調に増えているが、北海道、沖縄、九州に比べるとまだ少ない。個人8%、団体12%ぐらい。遠いのは北海道も同じ。地元の一層の努力が必要」(鈴木孝三・JTB西日本代表取締役社長)、「東北には売れる観光素材がたくさんある。多少料金が高くても惜しまない人も増えている」(西村健・全日本空輸執行役員大阪支店長)との指摘があった。
他には、シーズンオフ対策、2次交通の整備などの意見や要望がでた。
次いで、東北の食や文化を紹介する「東北の夕べ」が開かれた。女将会から、移川鞠子(浅虫観光ホテル)、大澤幸子(ホテル対滝閣)、磯田悠子(ホテル松島大観荘)、斉藤靖子(男鹿萬盛閣)、堺愛子(月岡ホテル)、片桐栄子(ホテル華の湯)、若松佐代子(新つた)、野澤邦子(ホテル小柳)、田中郷子(よもやま館)、らの各氏が参加。ステージの壇上から各地の食や温泉を中心に伝統、文化などを紹介した。また「なまはげ太鼓」などの伝統芸能も披露された。
セミナーで熱心に議論する参加者