東北観光推進機構が教育旅行の事例発表会


経論らが登壇しパネルディスカッションも

経論らが登壇しパネルディスカッションも

 東北観光推進機構の教育旅行誘致部会(部会長=畠山廣・同機構推進本部副本部長)は7月23日、東京都港区のグランドプリンス新高輪で「東北教育旅行事例発表会」を開いた。学校関係者のほか、旅行会社や東北の行政、観光関係者など約140人が参加。東北で教育旅行を行った学校の教諭らによるパネルディスカッションでは、東北には教育旅行に適した訪問地や風土、受け入れ態勢があるものの、学校への情報提供が十分でない現状が指摘された。

 事例発表に続き開いたパネルディスカッションには、事例発表を行った3人の教諭ら5人が登壇。

 パネリストらは、「民泊などで感じられる人の温かさに魅力を感じる」「都市部にない『適度な不便さ』が残っているところが良さ」「白神山地のような自然だけでなく、三内丸山遺跡や平泉などの歴史遺産も豊富である点は東北ならでは」と話し、教育旅行の行き先としての東北の良さを披露。中には「他の地域よりも宿泊施設などが混雑しておらず、手配しやすい」との利点を指摘する意見も挙がった。

 一方で、遠距離移動に伴う旅行費用の高額化のほか、「現地に行ってみると想像以上に移動が大変だったりして、全体集合の場所や時間の設定が難しい」(望月修・埼玉県立川口東高等学校教諭)といった東北への旅行への懸念事項が挙げられた。

 また旅行会社、地元への要望として、「宿泊先、行動可能な範囲などについて、より詳しい提案や情報提供が欲しい」(大野新・筑波大学付属駒場中学校教諭)、「農家からのお土産や生産物のプレゼントはうれしいが、できれば民泊先によって差が出ないよう内容や量を決めてほしい」(廣瀬君枝・東京都杉並区立荻窪中学校教諭)などの意見が出た。

 教育旅行関係団体の代表もパネリストとして参加。旅行会社での勤務経験のある林義行・全国修学旅行研究協会本部部長は、「先生の多くが前例を踏襲する。京都に比べ圧倒的に低い東北の修学旅行のシェアを伸ばすには、先生が知らない、東北の自然、歴史遺産、体験学習メニューなどを幅広く提案する必要がある」と話し、旅行会社や地元からの情報発信の重要性を強調。河上一雄・日本修学旅行協会理事長は、文部科学省や旅行会社が体験学習を重視しつつある一方で、小学校児童を対象とした「子ども農山魚村交流プロジェクト」への参加学校数が伸びていない現状を紹介。「教育旅行需要の拡大が期待されているが、養護教諭の確保や実施時期など課題は多い。旅行会社や受け入れ地域は教育現場の動向を冷静に分析すべきだ」と指摘した。

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