東北新幹線の未開業区間だった青森県の八戸〜新青森が4日、開業した。1972年に国が盛岡駅以北の基本計画を決めてから38年目での全線開業となった。JR新青森駅での新幹線出発式には、三村申吾・青森県知事のほか、馬淵澄夫・国交相や清野智・JR東日本社長らが出席。くす玉を割るなどして青森県民の悲願だった全線開業を祝ったほか、午前6時31分発の東京行きの一番列車「はやて12号」を笑顔で見送った。
東北新幹線の延伸は、02年の八戸開業以来8年ぶり。東京〜新青森をE2系はやてが1日15往復、最短3時間20分で結ぶ。
同区間では来年3月5日から新型車両E5系を使った「はやぶさ」が片道3時間10分を1日2往復することとなっており、13年にはE5系が最短3時間5分で同区間を結ぶ計画だ。
開業に合わせJR東日本は、リンゴ酒「シードル」の工房などを備えた複合商業施設「A—FACTORY」をJR青森駅そばに開業するなど地域活性化にも力を入れる。清野社長は「多くの人に青森に来てもらえるよう、地元と共に知恵を絞りたい」とあいさつした。
この日沿線各地の駅を中心に同県各地で新幹線を歓迎するイベントが開催され、物産市や「けいらん」などの郷土料理の振る舞い、郷土芸能による出迎えなどが行われた。
JR東京駅では、新幹線全線開業をPRするテレビCMに出演する俳優の三浦春馬さんやヒロイン役に抜擢された青森県在住の高校生、岸本麻依さんらが東京発の一番列車を見送った。