国土交通省東北運輸局はこのほど、東北6県を対象にゴールデンウイーク(GW、4月28日〜5月6日)の旅客動向に関する調査結果を公表した。宿泊・観光施設や交通機関の利用者数は、東日本大震災からの復興を応援するムードの高まりなどで前年同期の水準から回復したが、前々年の同期との比較では多くの業種で2、3割下回っている。
宿泊施設では、調査対象のホテル10社の利用者数の合計が前々年同期比16.1%減の1万3101人。旅館11社では同21.6%減の3万3129人となった。県別にみて下げ幅が大きいのは、岩手県がホテル2社で33.9%減、秋田県が旅館2社で34.8%減、岩手県が旅館2社で23.0%減、宮城県が旅館2社で22.6%減だった。
鉄道では、JR東日本の東北新幹線(盛岡〜八戸)、秋田新幹線(盛岡〜田沢湖)、山形新幹線(福島〜米沢)、津軽海峡線(青森〜函館)の合計の線区利用者数が同27.1%増の46万4千人に増加した。一方で民鉄や第3セクター鉄道の9社の合計は同19.1%減の16万6169人にとどまった。
空港の利用者数は、国内線が9空港合計で同37.0%減の14万9554人、国際線が4空港で同50.0%減の6808人。高速バスは16系統の合計で同18.5%減の7万8425人だった。観光施設7社の利用者の合計は同16.2%減の44万3809人だった。
東北地方の今年のGWは、期間前半は天候に恵まれ、イベントの開催、桜の開花と重なったことで観光客が増加したが、後半は悪天候のため、客足が伸びなかったとみられている。