千葉県はこのほど、社会実験で通行料金の引き下げが実施されている東京湾アクアライン(神奈川・川崎市〜千葉・木更津市)の昨年12月の交通量と南房総地域の観光入込客数をまとめた。交通量は前年同月比で5割増。観光入込客数は2割増となり、平日だけでは4割増と大幅な伸びを示した。料金引き下げには交通量や地域経済への影響などさまざまな側面があるが、交通費の低減が観光需要の掘り起こしに一定の効果をもたらしたと言えそうだ。
交通量や地域経済への影響を調べる社会実験は昨年8月に開始。来年3月末までの予定。通行料金の引き下げはETC搭載車が対象。普通乗用車の場合、通常料金は3千円で、以前から休日、深夜などに特別割引があったが、平日、休日ともに終日800円になった。
車両の大きさ、休日・平日を問わず交通量が増えた。昨年12月は前年同月比47%増で、全長(軸距)5.5メートル以上の「大型車」が72%増、大型車以外の普通乗用車などの「小型車」が43%増。
土・日曜、祝日(29〜31日含む)の交通量は43%増で、大型車が45%増、小型車が43%増。平日は51%増で、大型車が85%増、小型車が42%増。
南房総地域の観光入込客数は、鴨川シーワールド(千葉県・鴨川市)、マザー牧場(同・富津市)など5軒の観光施設の来場者数を調べた。1軒1日平均で前年同月比23%増の6475人。土・日曜、祝日は16%増の1万773人、平日は44%増の3513人となった。
千葉県商工労働部観光課では「天候にも恵まれ、アクララインの料金引き下げが、観光入り込みに一定のプラス要因になったのではないか」とみており、他の地域への入込客数や宿泊客数の変動も今後分析する考えだ。
社会実験が始まった8月から、12月までの累計では、交通量が前年比51%増、南房総地域の観光入込客数は12%増となった。