東京メトロは9日、NTTドコモと共同開発した多言語翻訳アプリを全駅に導入すると発表した。
また、東京メトロでは自然災害等により列車に遅れや運休が発生した際に、駅構内で一斉放送を実施していますが、今回のアプリ導入により、イベント時や自然災害発生時等に、状況に応じた放送を多言語で駅構内一斉に実施することができます。
今後、全駅※1に導入するスマートフォン等の端末にアプリをインストールし、国際的なスポーツイベント等の大会期間中に活用します。東京メトロ及びNTTドコモは、訪日外国人のお客様への質の高いサービスの提供を通じて、社会に貢献してまいります。
※1 管理委託駅を除く。
「はなして翻訳®」画面イメージ
対面翻訳時
放送時
多言語翻訳アプリ「はなして翻訳®」のサービスイメージ
1 概要
従来、駅のタブレット端末に配備していた翻訳アプリは、駅の放送設備との接続を想定しておらず、活用シーンはお客様と対面しての対応時に限られていました。また、特に駅名や路線といった固有名詞や「振替輸送」といった鉄道に特化した文言が正確に翻訳されないという問題がありました。
そこで、東京メトロとNTTドコモは、多言語翻訳アプリを搭載した端末と駅の放送設備との接続試験を実施し、少ない操作で駅構内に多言語で一斉放送ができる機能を開発しました。
また、駅社員からのヒアリング結果をもとに、お客様のご案内に活用できる文章を定型文に登録することで、鉄道に特化した文言も誤訳することなく、正確にお客様にご案内できるようになりました。
2 主な機能
(1)同時翻訳を活用した対面会話
対面している外国人のお客様に、スマートフォン等に向かって話していただくことで、外国語⇔日本語の音声
翻訳をする機能です。この機能を活用することで、柔軟なご案内ができます。
(2)定型翻訳文を活用したご案内
駅周辺のランドマークへの行き方や乗換のご案内等、外国人のお客様のご案内によく使うフレーズを定型文と
して登録できる機能です。この機能を活用することで、正確かつ迅速なご案内ができます。
(3)多言語での駅構内一斉放送
駅の放送設備と接続し、事前に登録した文章をアプリ上で選択することで、多言語放送が可能となる機能で
す。この機能を活用することで、自然災害等により列車に遅れや運休が発生した際に、運行情報や振替輸送のご
案内といった専門性の高い内容について、多くのお客様に多言語放送でご案内することができるほか、恒常的に
外国人のお客様に対してマナーのお願い等を行うことができます。
3 対応言語
12か国語(英語[米国・英国・豪州]、中国語[北京・台湾・広東]、韓国語、フランス語、ポルトガル語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、タイ語、インドネシア語、ロシア語、ベトナム語)
4 導入時期
2019年10月15日(火)から活用開始予定。
5 活用イメージ
(1)お客様と対面しての対応
駅社員がお客様と対面してご案内する際、同時翻訳及び定型文翻訳を活用し、多言語でのご案内を行います。
(2)駅構内の一斉放送
駅の放送設備と接続し、自然災害等により列車に遅れや運休が発生した際に、運行情報や振替輸送の多言語で
のご案内放送を駅全体に行います。また、恒常的に外国人のお客様に対してマナーのお願い等を多言語で行いま
す。
(3)状況に応じたホーム上での放送
ホーム上の駅社員が、マイクを通してアプリから出力した音声をホーム上に放送し、列車の運転状況等をホー
ム上の状況に合わせて、多言語でご案内します。
※「はなして翻訳」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。