
日本国内でIR誘致候補地の最終レースが白熱する中、学校名に「IR」を掲げる専門学校がこの4月に開校した。
全国で80を超える専門学校を運営し、500職種向けのコースで学ぶ3万6千人の学生を抱える滋慶学園グループが、東京都江戸川区に設置した東京ホテル・ウェディング&IR専門学校だ。学校長には元ANA総合研究所取締役会長の小川正人氏が就任。名誉教育顧問には元ホテルオークラ東京代表取締役会長の清原當博氏、名誉学校長には全日本ブライダル協会会長の桂由美氏が名を連ねる。
学科は、IR・MICEマネジメント科(4年制・定員40人)、IR・ホテル&リゾート科(3年制・定員80人)、キャリナリー&レストラン科(3年制・定員80人)の3学科。4年制では卒業時に大卒同等の称号「高度専門士」を申請予定。昨年秋に地上9階建ての新築校舎が完成し、今年2月末に東京都からの設置認可が下りたこともあり、現在の在校生数は50人だが、校舎自体には学生を最大820人まで収容できる教室と実習室のスペースを確保している。
副校長で教務部長の若杉亮氏は、教育方針について「ラグジュアリーホテルの幹部候補生となる人材を育成するために、特に英語教育は徹底的に行う」と強調する。カリキュラムには豪ブリスベーンや米ラスベガスへの半年間の留学や、スイス・ローザンヌでの短期研修、国内外ホテルでのインターンシップなどが含まれている。
IR・ホテル&リゾート科のカジノマネジメントコースは、ラスベガス最大のコミュニティカレッジ「カレッジオブ・サザンネバダ教育サポート校」と提携。観光、レストラン、カジノ、ホテル経営などの教育プログラムが充実した同校の最先端のIRとホスピタリティを学ぶことができるという。「本場ラスベガスのカジノ運営やゲーミングスキルを学ばせ、世界中のお客さまを魅了するプロフェッショナルを育てる」(若杉副校長)。
東京メトロ東西線の西葛西駅から徒歩1分の同校校舎内には、ディーラー技術を学ぶ「ゲーミングルーム」、ラグジュアリーホテルの客室を模した「ゲストルーム」、空港カウンター型の教壇を設置した教室「エアラインルーム」、調理・製菓技術を学ぶ「キッチン」、その他にも「チャペル」「バンケットルーム」「和文化ルーム」「寿司(すし)カウンター」など各種実習施設も完備している。
実習室「ゲーミングルーム」
実習室「ゲストルーム」
外観