
「鮭ものがたり」のポスター
新潟県村上市は今年から、「越後村上鮭ものがたり」と銘打ち、同市名物の鮭をキーワードにした観光誘客キャンペーンを展開する。鮭にまつわる祭りのほか、伝統漁法の見学や塩引き鮭づくり体験などをまとめてPRし、同市の鮭文化を市を挙げてアピールすることで観光誘客につなげたい考えだ。
同市内の三面川や大川などでは毎年、10月末ごろから鮭の遡そ上が始まり、各河川で「居繰り網漁」「コド漁」などの各地区に伝わる伝統漁法を見学できる。同市内の日本最初の鮭の博物館「イヨボヤ会館」では、館内から遡上する鮭の群れを観察することもできる。
11月11日の「鮭の日」には鮭の恵みに感謝する祭り「鮭魂祭(けいこんさい)」、12月10日には同市名物の塩引き鮭が約1千本並ぶ祭り「イヨボヤまつり」を開催。11月19日に開催の「きらきらうえつフェスティバル2011」では、鮭料理の提供や鮭のつかみ取りなども行う。
村上市は新潟県最北部に位置し瀬波温泉などでも知られる。08年4月に近隣の2村2町と合併したことで、観光客の増加に向け市域一体となった新たな誘客策づくりを進めている。
9月15日〜10月15日に開催の祭り「町屋の屏風まつり」では、新たに市の観光キャラクターに決めた「サケリン」のお披露目も行った。サケリンは村上市の名産である「鮭」「酒」「人情(ナサケ)」の「3サケ」をイメージしており、今後同市の観光PRに活用する予定だ。
同市観光協会の澤治専務理事兼事務局長は、「『日本海沿岸東北自動車道』の村上市から山形県鶴岡市までの区間の整備についても計画が進み始めた。観光協会のウェブサイトの充実も図っており、市挙げて3サケの魅力をアピールしていきたい」と意欲を語った。

「鮭ものがたり」のポスター