青函連絡船が80年に及ぶ歴史を閉じた1988年から四半世紀がたった。多くの船が海外に売却され、解体の憂き目に遭っている。最終便の「羊蹄丸」も、展示船としての役割を終えた後、四国に移り解体された。今では「八甲田丸」「摩周丸」の2隻が展示船として残るだけだ。
これまで、航路開設以来の歴史や船の建造については、多くの史料が残されている一方で、日々どのように運航されていたのかなど日常の様子については、正確な情報が残されていないのが現状である。
本書は、長年にわたり青函連絡船の研究を続け、「青函連絡船史料研究会」メンバーでもある大神氏が、当時の運航現場の様子を、貴重な史料や写真を交えながら紹介。運航に携わった人々のありのままの姿を書き記した記録だ。
新書判、800円(税別)。問い合わせは交通新聞社販売部TEL03(5216)3217。