著者は、山梨県立大学教授で「地域振興論」を担当、まちおこしの方法論を教えている。観光カリスマに認定された100人が「一体どのようなことをどのように実現したのか強い関心を持った」という筆者が、3年をかけて各地の観光カリスマを取材しその活躍をまとめたのが本書。カリスマを「結果を出した人」と評価しており、ノウハウはもちろん、その人から学んでほしいという。
観光カリスマには、歯科医、僧侶など観光と無縁の異色の存在も多いが、(1)目的に向かっての信念を持っている(2)独自のアイデアを生み出す(3)強いリーダーシップ(4)あきらめない(5)人に優しくホスピタリティ豊か──という共通点があるという。
選ばれた人がどういったきっかけで事業に取り組み、失敗や苦難を乗り越えて現在の成功をつかんだかを、温泉地づくり、旅館ホテルの経営事例、イベントや祭りの事例など分野別に紹介する。顔写真も掲載しており親しみやすい。
日本文芸社、952円。275ページ。