観光まちづくりの考え方と実践方法を具体的に解説。「観光まちづくりとは何か」から始まり、「観光まちづくりの実践」「持続可能な観光まちづくりへの課題」まで3章にまとめ、順を追って述べた。観光まちづくりの実践の章では歴史を生かし、多様性を引き出した10カ所の実践例を紹介。このうち3カ所は温泉地。街の魅力を高めた再生例として取り上げている。
「まち自慢から始まる地域マネジメントがこの国における今後の主要な地域戦略の1つになる」と強調する筆者。地域の宝を自慢し、資源化、育てていく地域経営(人材、組織、計画のマネジメント)のあり方はまちの魅力を高めてきた10地域に共通するという。
温泉街再生では草津温泉(群馬県吾妻郡)、由布院(大分県由布市)、阿寒湖温泉(北海道釧路市)を好例と説明。いかにして温泉街が1つになり地域の魅力を底上げし、まちを再生させたかを記す。
観光地には「地元にとっては当たり前に思える光景に新たな価値を見出していく努力が求められる」と説いている。
A5判、288ページ、定価3150円。学芸出版。