浄瑠璃寺(京都府木津川市)住職、佐伯快勝師と東洋文化研究家、アレックス・カー氏の対談集。
故郷と感じる日本を手厳しく批評することで知られるカー氏は30年前、初めて同寺を訪れた。その後、何度も訪問したが、住職には会えずじまいだった。カー氏は2003年、同寺を称える文章をニューズウィーク日本版に寄稿した。
真言律宗総本山西大寺の宗務長も務め、仏教界の智者である快勝師も、アメリカ人が同寺を褒めているのを知り、一度会ってみたいと思っていた。
そして昨年11月、お互いが求めていた出会いがあった。
ちょっと不便な場所にある同寺の魅力は何か。仏教の教えをやさしい言葉で伝える快勝師と、観光事業によって日本文化を守る行動に立ち上がったカー氏の、味わい深い対談が展開される。同寺の内部や周囲の風景も多彩な写真で紹介されている。
144ページ、定価は1800円(税別)。