
観光庁がまとめた08年7〜9月の宿泊旅行統計調査の結果、全国の延べ宿泊者数は前年同期比1.4%減の8379万人泊だった。26道府県で前年の数値を下回り、特に東北で地震の影響とみられる減少が目立った。全体の6.9%を占める延べ外国人宿泊者数も1.1%減の575万人泊。経済情勢の変化を受けて8月から訪日外客数が前年割れに転じたこともあり、30都府県で前年を下回った。
調査施設数は、従業員数10人以上の旅館、ホテル、簡易宿所1万171施設。回収率は73.1%だった。
延べ宿泊者数の月別は、7月が3.2%増の2617万人泊だったが、8月が2.5%減の3309万人泊、9月が4.3%減の2454万人泊だった。
都道府県別では、青森県が18.3%減、宮城県が16.6%減、岩手県が15.6%減となるなど東北で2ケタの減少が3県。岩手・宮城内陸地震(08年6月)、岩手北部地震(同7月)の影響とみられる。一方で石川県が17.1%増となったのは、能登半島地震(07年3月)による落ち込みからの回復とみられる。
延べ宿泊者数の上位5都道府県でも、東京都と千葉県を除くと、北海道が5.0%減、大阪府が2.2%減、静岡県が1.6%減とマイナスだった。
延べ外国人宿泊者数の月別では、7月が5.6%増の218万人泊、8月が3.6%減の192万人泊、9月が6.3%減の165万人泊だった。
国籍別では、韓国が19.4%減の96万人泊と落ち込み、韓国人客の多かった地域への影響が大きかったとみられる。このほか上位では台湾が2.5%減の97万人泊、アメリカが6.7%減の70万人泊と減少した。これに対し中国は6.4%増の69万人泊、香港は5.2%増の52万人泊と増加。オーストラリアは25.9%増の14万人泊、フランスは25.9%増の13万人泊と大きく伸ばした。
外国人の宿泊状況を都道府県別にみると、宿泊者数の上位では北海道が21.0%増の64万9千人泊だったが、東京は5.6%減の189万3千人泊、大阪も3.2%減の66万6千人泊と前期を下回った。一方で大きく伸ばしたのは沖縄県で、香港からの定期便の利用客の増加、マカオからのチャーター便の運航などで71.4%増の10万6千人泊となった。