山形県天童市で4月25、26日、天童桜まつり「人間将棋」が天童温泉を一望する舞鶴山山頂で開かれた。甲冑姿の武者に扮した地元の高校生が駒となり、将棋の対局に合わせて盤上を行きかった。桜吹雪が舞う中、時代絵巻さながらの光景が国内外の観光客を魅了した。
主催は実行委員会(委員長・伊藤彰天童荘社長)。人間将棋は地元の伝統産業である将棋の駒の製造を観光振興に生かそうと、1956年に始まり、今年で60回目を迎えた。人間将棋は春の風物詩となっており、主催者によると、2日間の来場者数は約10万人に上った。
屋外に常設されている将棋盤は縦16.6メートル、横13.8メートル。王将太鼓が響く中、初日の人間将棋には上田初美女流3段と藤田綾女流初段が対局。2日目は、糸谷哲郎竜王と戸辺誠6段が対局。一進一退の戦局をプロの棋士が観光客に解説した。将棋親善大使の俳優、つるの剛士さんも参加し、地元の小中学生と対局した。
駒の製造は江戸時代末期、織田信長の末裔、信学公が治める天童織田藩が、藩財政の救済策として奨励したことに始まる。天童市の将棋駒の生産量は現在でも日本一となっている。
また、天童桜まつりでは、天童市の魅力のPRを行う今年度の「将棋の女王」に山田紗也さんと坂口珠愛さんを選んだ。
舞鶴山で行われた人間将棋