日本観光振興協会、山西会長を再任 


3年ぶりのリアル開催となった日観振総会

副会長 大西氏ら新たに3氏

 日本観光振興協会(666会員)は10日、東京・芝公園の東京プリンスホテルで第59回通常総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では山西健一郎会長(三菱電機シニアアドバイザー)、久保田穣理事長らを再任するとともに、新たに大西雅之・日本旅館協会会長ら3氏が副会長に就いた。

 リアルでの総会開催は3年ぶり。約90会員が出席した。

 冒頭あいさつした山西会長は、新型コロナの感染者数減少や3月のまん延防止等重点措置の解除などで、国内観光地や海外旅行の一部に明るさが見え始めていることを歓迎しながらも、インバウンドについては、入国者数の制限が緩和されたものの「2万人というのはピーク時の14万人と比べると7分の1に過ぎず、依然厳しい制限が続いている」との認識を示した。

 今後については、経済界と連携しMICE誘致に関する支援策の導入や、水際対策のグローバルスタンダードへの転換を各方面に働き掛けていくとした。

 来賓出席した観光庁の和田浩一長官は、観光需要喚起策「Go Toトラベル」の再開について、「引き続き、今後の感染状況を見極めながら各省庁や専門家の意見を聴き、検討していく」と述べるにとどめた。

 また、「コロナ禍による需要の変化を含め、ワーケーションや第2のふるさとづくりといった新しい国内交流市場の開拓に取り組む」と強調した。

 2022年度は、「ニューノーマル時代における安心安全な観光地域づくりへの転換」「観光を通じた、地域における社会課題への貢献」「国際往来再開に向けた取り組み」をウィズ・アフターコロナに向けた重点方針とし、(1)基幹産業としての観光への取り組み(2)価値創造とイノベーションの追求への取り組み(3)持続的成長に向けた課題への取り組み(4)協会職員の働きがい創出に向けた取り組み―を柱に事業を展開する。

 具体的には、広域観光の促進では世界遺産サミットや北前船寄港地フォーラムの開催、SDGs(持続可能な開発目標)に即した観光の在り方を追求するため「観光SDGs推進会議(仮称)」の設置、観光資料のデジタルアーカイブの整備では「観光デジタル図書館(仮称)」の創設などを挙げている。

 役員改選に伴う新任役員は次の通り。

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