日本温泉協会が新潟県で総会


あいさつする大山会長

あいさつする大山会長

 日本温泉協会(大山正雄会長、約1340会員)は6月23日、新潟県村上市の市民ふれあいセンターで会員総会を開き、2015年度事業計画・予算案などを審議、承認した。同県での会員総会開催は初めて。来賓、会員合わせて約120人が出席した。

 総会に先立ち、地元・長岡市出身で、ビジット・ジャパン大使などを務める温泉エッセイストの山崎まゆみさんが「世界に誇る日本の温泉 新潟の温泉」をテーマに講演した。山崎さんは「これまで約30カ国の温泉に入ったが、日本の温泉が一番いい」「日本人にとって温泉こそがパワースポットだ」と述べる一方、「老舗温泉宿が生き残ることが困難な時代になっている」と指摘。その上で、「日本の文化が凝縮された温泉宿を守ろう」と呼びかけた。

 講演は市民にも開放し、抽選で選ばれた約300人が来場。ペア宿泊券や村上牛などが当たる抽選会も行うなど、従来にない新たな試みが実施された。

 壇上には「地熱開発から国立公園・国定公園の自然環境を守ろう」「入湯税は温泉保護のために」などのスローガンが掲げられた。

 式典であいさつした大山会長は、組織の見直しや財政の健全化などに取り組んでいることを強調。温泉を取り巻く環境については、地熱開発の動きが強まっていることに警戒感を示し「温泉をないがしろにしている」と国の姿勢を批判。また、「温泉は外国人にも人気で、地方創生の要となる」とも述べ、温泉の重要性を改めて訴えた。

 来賓として、環境省の三橋英夫温泉制度管理技術研究官、北陸信越運輸局の瀬井威公企画観光部長、村上市の鈴木現佐衛門副市長らが出席。

 15年度事業は、(1)財政再建(2)会員増強(3)組織の充実とステータスの向上(会員証作成)(4)会員の親睦—を重点目標に掲げ、取り組むことを確認。

 会員証については、現在、天然温泉表示制度に基づく天然温泉表示看板がその証ともなっているが、看板は最新のものが有効期限を迎える18年8月末で同制度を中止する。このため、協会の施設の保証として新しいロゴマークを制定し、これを取り入れた会員証の制作を検討することとなっている。

 総会では役員の補充選任を行い、神奈川県箱根町の吉田功企画観光部長を理事に選出した。

 総会後の情報交換会は瀬波温泉の夕映えの宿汐美荘で行われた。浅野謙一社長(同温泉旅館協同組合副理事長)の司会のもと、同旅組の佐藤久也理事長(大観荘せなみの湯)、県旅館ホテル生活衛生同業組合の野沢幸司理事長(ホテル小柳)らがあいさつ、歓迎の言葉を述べた。

 来年の総会は松山市の道後温泉で開く。

あいさつする大山会長
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