旅館や着物など、日本の伝統文化を世界に広げようと、すでに着実に実績を上げている「日本旅館国際女将会」(小渕祥子会長=会員数50軒)は18日、鹿児島県指宿温泉の白水館に25名を集めて総会を開き、今年度の事業計画を決めた。報告では、鈴木義子氏(男鹿グランドホテル)が退会し、新たに佐々木みどり氏(知床プリンスホテル風なみ季)が入会。役員改選では新会長に須賀紀子氏(観光ホテル滝の家)を選び、副会長には矢口委子(岬館)、松本美代(坐魚荘)、若松佐代子(雨情の宿新つた)、榎本眞規子(三河屋旅館)の4氏を選んだ。小渕会長は名誉会長に就任。
引き続き開かれた講演会では、白水館の下竹原和尚社長が「薩摩の歴史・白水館のコンセプト」について、先代から引き継いだ伝統文化にさらに磨きをかけた「薩摩伝承館」をオープンするまで、労苦を重ねた関心深い宿のプロセスを披露した。
旅館に併設する「薩摩伝承館」は建設費だけで15億円。陳列されている陶器類は国宝クラスがずらりと並んでおり、時価評価額は算定できないほど。民間の博物館としては最右翼に属すると定評がある。有料で修学旅行や様々な団体が訪れている。
また、この日は江口恒明本社社長も、最近の政治、経済の動きなどを講演した。
日本旅館国際女将会は、すでに15回の海外での広報活動を実施、活動ぶりを海外のテレビや新聞で報道されている。今年は9月にフランスのパリでデモンストレーションを行う。会では一般の女将の出席も歓迎している。参加希望者は財団法人日本ホテル教育センター(石塚理事長、ファクス03・3360・8584)へ。まだ残席がある。
なお、白水館は、本社主催の「人気温泉旅館ホテル250選」の風呂部門で08年度ナンバーワンとなっている。
あいさつする須賀会長(白水館で)