日本旅館国際女将会(長坂正惠会長=下呂観光ホテルしょうげつ)は12日、東京都港区の綱町三井倶楽部で定時総会を開いた。2年任期の役員改選では、長坂会長が再選された。講演会では、山形弁研究家のダニエル・カール氏と写真家のマイケル・マーティン氏が「海外から見た日本の魅力」について語った。
マーティン氏は「日本人が当たり前と思っていることでも、外国人には素晴らしいと感じられることがとても多い。日本人は自分の文化に誇りを持ち、そのままを見せてほしい。外国人は、ありのままの日本を体験するために日本を訪れる」と話した。その上で「ただ、温泉の入り方などは難しいので、子どもに伝える気持ちで、マンガやポスターなどで分かりやすく説明してほしい」とインバウンド客の気持ちを代弁した。
カール氏は「日本の温泉文化は独特で、まだ海外ではほとんど知られていないが、若い世代では日本のアニメやマンガで温泉を知り、訪日する人もいる。地域によって異なる豊富な食文化も日本の魅力だ」と語り、インバウンド客の宿泊先としての温泉旅館の潜在力の高さを示した。
また、「緻密な公共交通網を持ち、分単位の正確さで電車を運行している国は世界で日本だけ。治安も世界一だが、治安の悪い海外から来る人は安全のために多額の現金を持ち歩く習慣がなく、日本の地方でカードが使えないと途方に暮れてしまうことがある」などと話し、インバウンド客の受け入れにあたってのカード決済の重要性を説いた。
ダニエル・カール氏